エピソード2 夜の愛の告白
次話、12時アップ予定。
ある夜、休む前。
屋敷の2階、自室の鏡台の前で栗色の髪を梳かしていた。
その時だ。
外から、聞き覚えのある男の声が聞こえた。
「シャローラ!出てきて私の話を聞いてくれ!」
間違いない、ルーベルト王子の声だ。
こんな夜中に、人の屋敷の庭に忍び込んで、婚約者のいる私に声を掛けるなど非常識がすぎる。
私は、バルコニーに飛び出して、庭の様子を見た。
そこには、確かに男性の影が見えた。
暗がりで、よく見えなかったが、その声は間違いなくルーベルト王子だ。
「こんな夜中に、年頃の娘のいる屋敷に忍び込むとは何事ですか!それに、あなたに名を呼び捨てにされる義理はありません!たとえ王子でも、非常識がすぎます!」
私は、叫んだ。
「すまないシャローラ嬢、しかし、私は、あなたを愛しているのだ!」
ルーベルト王子の声が、響く!
「馬鹿を言わないで!私は、子供の頃、何度かの夏に遊んだだけです!それで、私の何が分かりましょうか!?」
私は、そう答える。
「では、今の私を見て欲しい!あなたこそ、今の私を知らないではないか!?」
彼が、そう叫ぶ。
「嫌です!私は、婚約者のいる身です!」
私は、拒否する。
「そんな事を言わないでくれ!私は、あなたを好きだったんだ!」
彼は、悲痛そうに叫ぶ。
「嫌い!私は、あなたが嫌いなの!」
私は、怒りで体が熱くなり、叫んだ。
「好きだ!」
「嫌いよ!」
「好きだ!」
「嫌いよ!」
「好きだ!」
「嫌いよ!」
「好きだ!」
「嫌いよ!」
「好きだ!」
「嫌いよ!」
「好きだ!」
「嫌いよ!」
「好きだ!」
「嫌いよ!」
「好きだ!」
「嫌いよ!」
二人で、むなしい告白と拒否を繰り返す。
「どうして分かってくれないの?私が愛しているのは彼だけなの…。私を思うなら、消えて頂戴」
いつの間にか、私は泣き崩れていた。
「…」
しばらく、沈黙が続く。
「分かった、もう君には一切関わらない。すまなかった…」
そう言うと、ルーベルト王子は背を向けて去っていく。
「あなたも早くパートナーを見つけなさい!そうしたら、彼と4人で会ってあげるわ!」
私は、せめてもの情けで、そう声をかけた。
本当は、そんな気もなかったのだが。
屋敷の、あちこちから、物音が聞こえる。
こんなに大声を出しては、屋敷中の者に聞かれた事だろう。
「なんて迷惑な人!」
私は、そう言いながら、厄介者が消えて、ほっとしていた。
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泣き虫高飛車バツ2令嬢の熊髭騎士団長様
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