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エピソード18 可愛い辺境伯

 次の日、ドナシエル宮廷魔導士様が、屋敷にいらした。

 ダニエラの件について、話があるとの事だった。


 連れている女性の顔を見て、私は息を飲んだ。

 それは、昨日、私の店に来店されたインぺリア王国の第3王女ミネルヴァ様だった。

 相変わらず茶系の庶民的な服装をされている。

 しかし、その高貴さは隠せない。


「あなたの困り事の解決に、私も協力させてもらうわ」


 そう言うと、彼女はニッコリと笑った。


 ドナシエル様は、もう一人、黒髪の青年騎士を連れていた。

 身長は、ルーベルトよりも少し低い。

 私より3つほど年下に見える。

 まだ可愛らしさを残している。


「お初に、お目にかかります、シャローラ様。私の名は、レオドール。ブロワーヌ王国との国境を守る国境守備隊の隊長です。レオと、お呼び下さい」


 彼は、深々と頭を下げる。


「いずれ正式に事情は聞くでしょうから、私からは簡単に。彼は、ルーベルト王子の弟。公妾の息子だった為に王位継承権は、持っておりません。養子に出されていたのですが、現在は、その地位を継いで、辺境伯として国境を守備しております」


 ドナシエル様が、若い騎士の出自を説明する。


 レオドールの顔を、もう一度見る。

 確かにルーベルトに、どこかしら似ている。

 数年前の可愛かったルーベルトの顔を思い起こさせた。


 でも、あの頃のルーベルトよりも、鍛えられた体をしている気がする。

 おそらく、軍隊で苦労してきたのだろう。


「ドナシエル様、どうして二人をお連れになったのです?今日は、ルーベルトの魔法を何とかするお話しだったのでは?」


 ドナシエル様に、彼等が同行している理由を聞いた。


「ザッカーニ公爵の息がかかっていない信用出来る協力者で、なおかつ事件解決の力を持った者。彼等が適任だったからです。王は、証拠が無ければ聞く耳を持っていただけなかったので…」


 彼等はルーベルトの身内だ。

 確かに信用出来るだろう。

 しかし、軍人のレオドールは、ともかく、ミネルヴァ王女がいる理由は?


「レオドールは、我が国最強との言われる騎士。ミネルヴァ王女は、回復魔法を中心に、あらゆる魔法を修めておられます。更に学業優秀で、頭脳でも右に出る女性はおりません。ブロワーヌ王国では、聖女と呼ばれているそうです」


 ドナシエル様が、二人の実力を説明する。


「ミネルヴァ王女には、国境のいざこざで何度も苦渋を味合わされました」


 レオドールが、苦悶の表情を浮かべる。


「いえいえ、レオドール辺境伯に、我が軍は、いつも撃退されておりますのよ」


 ミネルヴァ王女は、笑顔のまま言った。


 二人の間に、見えない火花が散った気がした。

 こんな二人を一緒にしておいて大丈夫だろうか?


「私は、王都から出るわけには参りません。彼等を連れて、ザッカーニ公爵領で調査をお願いします」


 ドナシエル様が、そう言った。


「差し出がましい事を言って申し訳ありませんが、シャローラお嬢様が同行する必要がありますか?」


 私の後ろにいたアンナが、珍しく口を挟む。

 本来なら考えられない行為だ。


「精神操作の魔法を打ち破るには、真の愛が必要です。彼女には来てもらわねばなりません。私の騎士達と、レオドール辺境伯がいれば大丈夫でしょう。彼女は、必ずお守りいたします」


 ミネルヴァ王女が、両手を合わせ、目を閉じて言った。


 あはは、真の愛というのは、ちょっと自信ないかも…。

 私は、そう思ったが、声には出さなかった。

 ルーベルトを助けたいという気持ちは、固まっていたからだ。

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