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2 白蛇と開園日

ぼんやりしてる意識の中、耳に入る鴉の鳴き声で猛然と呼び起こされ、どこに来た耐えかねる腐り匂いで眉をひそめた。

壁が真っ黒い部屋の窓から外を覗くと、無限に拡がっている血みたいな赤色が地平線まで延べていく。枯れ草が荒れているこの大地が、まさに『死』という概念の代名詞だ。

こうゆう絶望に至る程の景色の前、僕は思わなく両手を上げて…


「今日も快く平気だね。」

軽くあくびをして背伸びしながら、僕はその腐り匂いを散らしてる鼻覚まし時計を止めた。

朝起きたらいつもこんな感じだけど、今日はどこが違う。


今日は茶味学園の始業式。

そして僕、この砂丘葉須と呼ぶ少年は今日から正式に大魔生になります。

同じ魔齢18さいの同期と比べて、僕のような今でも魔力がない魔人が珍しいけど、なんとか中魔校と高魔校から順調に卒業し、茶味学園という大魔校に入りました。


ちょっと片付けた後、僕は鏡の前に移して、最後の自己点検を行う。

相変わらず長いピンク髪が肩から腰まで垂れて、この174センチの身長とちょっといい。五官が一二ではないが、一応姉さんに『イケメン』と評価されたことがある。ピカピカしてる革靴はもちろん、服で繊維までちゃんと整えた僕は、入学に対して完璧だ!


「おっ!お疲れ様。」

焼き卵とトーストを口に送りつつ、僕は新聞配達コウモリから今日の新聞を受けた。

技術の発展とともに、今は僕みたいに紙新聞を読む魔族はただ僅かに残っている。皆はほぼ魔力で魔ソコンを使う。

でも、僕のような魔力のない魔人が仕方なく紙に戻らざるを得ない。ほんとに時代に捨てられたなぁ…


やはり、新聞の一面に思い通りに茶味学園の始業式を記載してる、さすが魔界1位の大魔校。

魔力のない僕はその学校に入れるのはその副校長である姉さんのおかげで。不審の手段で入学したくないが、姉さんがどうしても僕を心配して、1人を放っておけないって強引に入学させた。


まあ、悪くないけど、そんな優秀な魔材が集まる学校にほんとに溶け込めるかな?

こうゆう不安と期待が交わる気持ちを抱いて家を出た。

僕は都から遠いとこに住んでいるので、登校道では魔族がかなり少ない。時おり空にいくつの鴉やトビが経るだけ。


静かな道で僕はずっと未来の生活を想像して、どんなクラスメイトや授業と会うのかと期待して、不意にある白く細い『もの』を踏んでしまった。

縄?いや、踏んだ時ガリガリの音が出るとこから見ると、多分硬い薄片を覆うやつ。ちゃんと見ると、なんと鱗片のある細長い生物が足の下で伏していることがわかった。

つまり…蛇?

やばい!僕は慌てて足を引いて後ずさる。でもその蛇は反応がなさそうで、ただ地べたで横たわっている。


「僕はそんなに太いの...?」

いや、蛇は生命力すごい魔物だ、どう考えても一踏みで死ぬわけがない。でも確か踏んだ時足掻くでもなくて今は目も『X』の形状になっちゃったけど。

僕はすぐ蛇がこうなった原因の思考を諦めた。僕のせいじゃなくても助けるべき、愛こそ魔界をよくなる!


薬を持ってないけど、蛇という生物、多分栄養を得たら蘇ると思う。

まずナイフで指先を刺して血を注げば…

やはりダメか…血だけを上げても、もう死んだ生物が蘇らないのも当然のこと。


「シャー…」

僕の独白を反論しようと、その白蛇が軽く動いた。

僕の意外をさておく、とにかく効いたことはいいシグナルだ。このままで血を注ぎ続けばきっと蘇生させられる!

注いだ血が増えるとともに、白蛇もだんだん血色が回復し、ついに目を開いた。


このほどに至ったらもう離れても問題ないと思うけど、やはり蛇を踏んだことに責任を最後まで持つべき。

指先の血を止めた後、僕は軽くその蛇へ向いた。近づくようとしても、農夫と蛇の話を思い出して躊躇った。


はるか昔、ある農夫が蛇を救ったら、蛇に報いられ、魔王になって、蛇と幸せの毎日を送る話が、魔界ですごく有名な美談である。


…待って。

もしかして僕は魔王になるのでは⁉

それじゃ可愛い女の子に囲まれる毎日を送れるじゃないか!

いえいえ、そんな視野が狭すぎる考え方を変えて、より偉い仕事に目を移すべきだ!

やはりまず大型魔力精錬装置を建てろっていう命令を降って、ケーブルで魔力を運輸し、魔力のない魔族も魔力駆使機器を使えることにして、魔族の生活水準を一層登らせる!

そして全魔界を覆う魔力運輸システムを組み立て、魔力機器の自動化を実現し、生産力が急増する未来にたどり着く。

最後に、魔界歴史上最も偉大な魔王で認められる僕は、僕を崇拝する可愛い女の子に囲まれて、恥を知らぬ毎日を送ることが間違いない!

どうしても美少女に囲まれる結局は変わらない、これは原則だ!


僕はその不現実な妄想に沈んでいるうちに、その白蛇がいつの間にか元気を取り戻って、僕の足首を纏いはってきた。

氷みたいな涼しさで僕の体が震えて、すうっと首まで辿る白蛇と睨み合う状況になった。

白蛇の目玉にまるで虹が宿っているように輝く、不思議な彩りを放り出した。


この反応は…恩返し?

「よかった!ずっともてる魔族になりたい夢があって、こんなとこで実現することは思わなかった!恩返しをするならささと来よう、僕はもう待ってきれないんだ!むしろ直接に美少女になって奉仕してくれる方がマシだ!」

「シャー!」

近づいた、これは恩返しだと間違いない!一体何が起こるのかな~


『プツっ』という声が耳に入るより、鼻先から伝わってくる激痛が先に着いた。

鼻が貫かれた痛みのため、僕は思わなく悲鳴出して横に倒れた。

「グっ…ハ、ハナガ…」

ちくしょう…その蛇は一体なんなんだよ!女遊びの夢を嘲笑う気持ちが分かるけど、鼻を貫通して僕を目覚めさせる必要はねえだろうそのやろう!


意識を失うほどの激痛から知覚を取り戻すには何分がかかる。周りを見回すと白蛇の姿はもう消えてしまう。

二度と見つかるな、恩を知らず蛇めが…

毒が付かなかったことだけ不幸中の幸いだった。

だが彼奴のおかげで、ちゃんと片付けたスーツは埃まみれ、顔も鼻から漏らした血で赤に染められて、こんな格好で始業式を参加したら充実な大魔校生活とはもう無縁だ。

でも家まで引き返す時間もないし。


「無理やり行くしかねいか…」

一応顔の血を洗おうか。

近くの池に行くと、水面から僕の滑稽な顔が映した。血まみれの鼻の天井に2つの小さな穴がついて、まるでホッチキスで綴じたように僕を嘲笑ってる。

「よくも傷口は対称なんだよ…」


こんなに笑える顔ですのに、僕は意外にも自分が普段より可愛いと思う。

こんな言葉で自分を形容するのは怪しいけど、『可愛い』以外の言葉を見付けられない。

自惚れや心神喪失ではなく、僕は心からそう思う。自分に恋しいほどのこの愛らしさが初めてだ。

錯覚ではないか、多分…

どうにか痛みを我慢して顔を洗うあと、慌てて学校へ走っている僕の鼻が今でもヒリヒリと痛い。


学校に近くほどに、生徒たちもだんだん多くなった。今は入学の実感が溢れ出す。

僕も歩調を緩めて歩い始めた。

周りから投げ出される視線はもちろん少なくない、こんなに汚い服で入学する学生は僕しかないだろう。

(気まずい極まりだ…スタートラインから台無しになるなんて…)


変人を見る視線は当然、興味のある視線を投げる魔族もあるが。だらしない目線まであるとは、この名学校に変態がいるはずはないでしょう?

今はただそれらを無視するだけだ。


たくさんの道が合流するにつれて、やっと学校の大門にたどり着いた。学校の壮観さはこの門から一部が分かる。

何メートル高い大門の頂にある悪魔の彫刻像は全く生き物、10何メートル間隔の柱が空を支えるみたいに佇んでいる。大勢の学生が通っても渋滞を少しでも感じなかった。

だが、こんなに壮大な大門も学校の雄大さを遮られない。奇観みたいなビルと雲に差し伸べるタワーが城堡と言っても過言ではない。建築群れは山巒みたいに視野の果まで延る。学校と言うより、都の方がマシだ。外に建築のない茶味学園はまるで魔界の大きい孤島のように僕の目の前そびえ立っている。


学校の規模に驚愕したのか、出発する際に生じなかった怯えと畏敬の気持ちが今更脳内に覆してきた。

周りの学生も喜びと不安半分そうに、兢々と学校に足を運んだ。

僕も自分の惨状を忘れたように、足が自ら学校へ引いた。


こんなに凄い学校の副校長をしている僕の姉さんへの認識を少し見直した。


学校に入って1番見えるのは学校の大広場。ここが学校の各部分を繋がっているので、人で例えばほぼ腹の部分。

各色の煉瓦が広場の歩き道を組み立て、空から見ると多分ある絵柄を示しているでしょう。

こんなに華美な広場なのに、何百の棺おけが行列で並んでいる。

学生たちが棺おけに入ったり出たりシーンが魔族である僕が見てもオドオドしてしまう。


まあ、その正体を知らない訳がないけど。なんと言っても中魔校と高魔校に入学した時も乗ることがあるから。

この『判棺』というのは実にある生物である。こうゆう生物の口、つまり棺おけの開け口に入ると、一定量の魔力が奪われ、そして種族と魔力を判明することが可能である。

残念ですが、僕は全然魔力を備えてないので、以前の時判棺に入ると、逆に吐き出された。


僕は食べ物としても失格するなんて悲しい…

でも姉さんが悪魔だから、僕も悪魔でいるはず。

こう思ううち、妙な圧力が背中から寄せてきた。

「だーれだ~」

この元気そうな声とともに、僕の視野が真っ黒に遮られた。

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