第1章 プロローグ
仕事が忙しくて、半年以上も放置となっておりましたが、投稿を再開したいと思います。
まずは、これまでの投稿を手直ししないと 汗
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ようこそ!誰も気づかぬ山奥の秘境にある小説へ!
ストーリーの展開が進むまで何話もありますが、ゆっくりとして行ってくださいな。
というか、続けて読んで頂けると嬉しいです!
因みに15話目くらいから、やっとこさ展開が進みはじめます。
そして、本格的にはさらにその先となります。
- 8つの世界 -
8柱の創造神が世界を1つずつ創りたもうたことで、世界とは8つ存在している。
8つの世界は、それぞれが独自の文化を形成しており、主となっている系統種族や原理は異なっている。
●精霊の世界
●万物の世界
●真祖の世界
●秘宝の世界
●魔素の世界
●逸脱の世界
●料飲の世界
●科学の世界
各々の世界で死を迎えると“空虚の空間”と呼ばれる無の空間へと流される。
空虚の空間では全ての記憶と身体が溶けきってしまい、云わば“霊体”と呼ばれる無の存在に変化していく。
そして、無と化したその霊体は、何かに導かれるかのように“とある場所”に辿り着くのであった。
そう。
それが“異世界免許教習所”である。
ここに辿り着いた霊体は、ここで次の転生先として希望する世界の“理”を学ぶことになる。
そして、“転生免許”を晴れて取得すると“免許証としての実体”を授かることで、新たに転生を果たすことができるのだ。
8つの世界は、その世界間に大きな隔たりが存在する。
その隔たりによって世界間を行き交うことは不可能であり、世界間での交流などは生まれない。
しかし、
その世界間を自由に行き来できる存在がいた。
それが、“異世界免許教習所に雇われし者”である。
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- 導かれし偶然 -
「どうしよう・・・。」
この全く理解できない状況に困惑、いや混乱しているというのが正しいだろうか。
何もない真っ白な場所に一人。
最初は目が見えなくなったのかと思ったが、どうやら目に異常はないようだ。
ただ、ここには何もない。
一面に広がる真っ白。白。白。
「おーい、誰かいませんか~?」
こういう時は、やっぱり誰かいないかと探してしまうらしい。
とにかく心細いのだ。
さっきまでの僕は、同級生に誘われて男女6人で噂の心霊スポットに来ていた。
幽霊の類は大嫌いな僕だが、同じクラスの女子がいることもあって平然を装っていた。
まだ昼間だというのに薄暗い廃屋の中は、これまでに結構な人が肝試しに来ているのだろう。
「●●参上!」といったような落書きや「ラブラブ相合傘」が沢山書かれている。
こんな場所に相合傘で名前を書くとは神経を疑うところだ。
いまの時代にこんな落書きをする人はいないだろうから、かなり前から廃屋になっているように思われる。
平屋建ての廃屋を出ると裏庭に枯れ井戸があった。
ホラー映画でよく見たような、そんな雰囲気が漂っている。
みんなが枯れ井戸の底をのぞき込んでいた時、僕は廃屋の横にある納屋の方で、ガタッと音がしたことに気付いた。
その納屋の中は淡く光っている。
僕はその淡い光が気になって、納屋の引戸を開けてみることにした。
ガタガタと建付けが悪くなっているが、どうやら鍵はついていない。
そして、中に入ったその瞬間・・・・。
「・・・・・・!」
「・・・!!」
僕の異常に気付いた同級生たちの声が遠くに聞こえて、何を言っているのかうまく聞き取れない。
そして、僕はこの真っ白な場所に立っていた。
いや、立っているという表現は定かではないのかもしれない。
全てが真っ白で、立っているのか浮いているのかよくわからない状態だ。
「どうすれば・・・。」
不安な気持ちが徐々に込み上げてくる。
すると、何もない空間から声だけが聞こえた。
「だから、いまはダメだって言ったでやんス!」
「だって~、こっちに来るって思わなかったも~ん。」
僕は声が聞こえると思った方向に向かって叫んだ。
「すいません。ここです!ここにいます!誰か!?」
少しの間の沈黙があった後、再び声が聞こえてきた。
「・・・何にせよ、このままにしてはおけないでやんス。」
「ううぇ~ん。ごめ~ん!」
その会話する声が消えると同時に僕の目の前の空間が歪む。
そして、その歪みの中からニョキっと真っ黒な腕が出てきたのであった。
「うわっ!?」
僕は、その腕に強引に引っ張られた。
急に目の前に腕が出てくるのは心臓に悪い。
しかも真っ黒な腕だ。
もはや、心霊現象が起きたとしか思えない。
僕は幽霊の類が大嫌いなのだ。
ましてや心細さも相まって、自分の意識が遠のいていくのを感じた。