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バケモジ学園の光

作者: 中井 香

アタシの名前はヒカリ!今日からこのイヒ茂治学園に通うことになったの!けど不安も結構あるの!

だってアタシ、この学園で―回、死んじゃったんだもん!

ま、前世のアタシが、なんだけどね。

前世の記憶もあるし、未練もある。だからこの学園に入ろうとしたのよね。

でもね、試験問題がすっごく難しかったの。

前半なんて全く分からなかったし、問題文の内容も理解できなかったのもいっぱいあったわ!

ま、記憶カには自信があったから、勉強したところを思い出しながら解いたわけ。

という訳で合格!やったわ!

これからの学園生活、どうなるのかしら!

学園の中には、見た目が人間じゃない子もいるわ。

いわゆるAIとかアンド口イドって呼ばれる夕イプ。まだ機械差別が横行しているから心配だわ。

昔、機械ばかりにお金をかけて、人をないがしろにしてたから、8192年に革命が起きたのよ。

その時に、人工知能を差別して人間同士の差別を無くすって話が出て、そしたら人間同士の争いが起きなくなったからって理由で、今まで差別が続いているってわけ。

結構この学園、機械にお金かけているし、故障してもすぐ直せる環境だから、一部の人はそれをいいことに殺す勢いで酷いことするんですって!機械は外部からの指示がないと忘れることができないから、いじめられた記憶を持ち続けながら生きてるの。した方は意識しない限り忘れるのにね。

そういうの、どうしても放っておけないのよね…。

授業中、教師の目を盗んで、誰かが塩水を撒いたわ。人にとっては何ともないけど、撥水加工がされていない機械にとってはさび付きやすくなるから致命的なの。

悲鳴を上げる子たちに、教師が授業中だ静かにしろと怒鳴ったわ。しかも、結構塩水を浴びちゃった子が治療室に行きたいって言ったんだけど、聞いてくれなかったの。

つい、いいかげんにして!!…って、叫んじゃった。

「機械が人間に指図するな」

アタシは機械じゃないわ。人以上に他人のことを考える、れっきとした…。

わめきながら飛びかかろうとしたことを見抜いたからか、近くの生徒がアタシを抑えてきたわ。

「機械でないと言うのなら…」

教師はアタシに近づいてきた。

「人間なら必ず解ける問題を言う」

そういって、アタシの眉間に電動ドリルを当ててきたわ。

「この学園の名前を、答えろ」

深呼吸して言ったわ。いひもじがくえん、と。

・・・・・・。

あ。これ前世でも同じ失敗してたわ。

アタシに課せられている使命は、機械差別を無くすため、人と全く同じことができるよう学習すること。

機械を排除する対象としてでなく、生活を豊かにするために必要な相方と考えている人たちから生まれたアタシは、機械差別と機械優遇どちらもあるこの学園で、人になるための学習を、何度も何度も行ってたの。

同じようにものが見える、ものが聞こえる所までは学習した。ただ、まだ同じようにものを読める学習が出来ていない。

誤字脱字を訂正できるまでには進歩したけど、タとトを合わせて外って読ませるみたいに意図的に変換している文字は、まだほとんど読めない。人間専門用語として確立させたせいで、データがないってのもある。

この学園で筆記用具が使えないのは、多分人間に文字を書かせないため。

イヒをなんて読むか分かれば…誰かが声に出したり、書いたのを見れば分かる所まで来てるのに!

アタシは、前世…システム内のデータと同じように、死んだ。

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