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1-3登録

「本当に何も起きてないのですね?」

「はい、寝ぼけていたのも本当ですし、少しお嬢様をからかいたくなってしまったので、出来心とはいえ失礼いたしました。」

「そ、そうですか、、、、(先は越されていないのですね)」


 イリスとレナがそんなやりとりをしている間、ケンゴは朝食を食べながら考え込んでいた。


(とんでもない目にあったな、でもそれどころじゃない、早めに身分証を作らないと、2人におんぶに抱っこのままだ、)


 そんな風に考え込んでいるケンゴに対しイリスが問いかける。


「ケンゴ様どうされました?」

「え?あ、いえ、早く身分証を作らないとなと思いまして、あったときに少し話されていたんですが、身分証を作るのって難しくないのですか?」


 その問いに対しレナが答えた。


「ええ、それでしたら....」





 ****





「冒険者ギルド、ノルン支部へようこそ!受付嬢のセレスと申します。依頼の受注ですか?」

「い、いえ、冒険者登録に、き、きま」

「かしこまりました、それではこちらの用紙に情報をお書きください。」

「あ、ああ、はい、」


 場所は変わって、ノルンの街の中心部、朝食を食べたあとケンゴはすぐにイリス達に教えられた冒険者ギルドに来ていた。

 時間帯の問題なのか、ほとんど人がいなかった。

(冒険者になって冒険者カードをもらえばどこでも使える身分証になるって言ってたな、便利なものだ。)


 用紙に必要なことを書いていた時、彼はある項目でつまづいた。


「す、すいません、この"役職"というのは?」


 役職という項目がわからなかったケンゴは受付嬢に質問をした。


「はい、役職というのは、あら?」

 質問に答えようとした受付嬢は用紙を見て言葉を止めた。


(一体どうしたんだろう、あ!まさか!)


 ケンゴはあることに気付いた。

「すいません!違う字を書いてました!すいません!」


 そう、ここは違う世界。ケンゴが使っていた日本語とは違う言葉が使われているはずだ。

 しかし受付嬢はこう答えた。


「いえ、とってもお綺麗な字ですね。」

「え?」


 そう返されたケンゴは自分が書いていた用紙を見てみた。

 そこに書いてあったのは日本語とは全く違う言語だった。無論ケンゴ自身が書いたものである。


(どういうことだ?こんな字は知らないぞ?だけどちゃんと読める。なぜ?)


「どうかなされましたか?」

 困惑するケンゴにセレスがこえをかけた。


「あ、いえ、なんでもないです、そ、それで役職というのは、」


「そうでした、役職というのは主にその人の戦い方によって区別されるものです、例えば剣を主に使うものは"剣士"、弓で遠距離から敵を攻撃する"弓術士"、魔法で敵を攻撃したり味方をサポートする"魔法使い"などです。ちなみに空欄でも構いませんよ、冒険者登録をしてから経験を積んで決める方もたくさんいらっしゃいますから。」


「そうなんですね、それだったら空欄で、」


 それから受付嬢のサポートで必要事項を書いていたケンゴだが、またしてもとある欄につまづいた。


「受付嬢さん、この魔力量というのは?」


 ケンゴのその問いに、受付嬢は不思議そうにしながら答える。


「魔力量というのは魔法やスキルを行使する時に使うエネルギーのことです。ケンゴさんは知らないんですか?」


「あーっと、かなり田舎から来たものでして、」


「そうでしたか、多少お金がかかりますか調べることもできます。どうなさいますか?」


「あ、あまり手持ちがないので、遠慮しておきます。」


「かしこまりました。でしたらそちらも空欄で構いません。」


 そんなやりとりをしながらケンゴは必要事項を書き終えた。


「ではこちらで登録完了になります。冒険者カードは明日の朝に出来上がりますので、それ以降でしたらお受け取りになれます。ちなみにカードがなくても仮のカードでクエストもお受けになれます。ただケンゴさんは登録されたばかりなのでEランクのクエストしか受けることはできませんのでご了承下さい。」


「わかりました、ちなみになんですがそのEランクというのは?」


「失礼しました、ランクの説明を忘れていました。」


 ランクというのは冒険者の総合的な能力によって付けられるもので下から"E"D"C"B"A"S"という6つのランク付がされているらしい。


「はじめて、登録された方はEランクからのスタートになり、DとCはクエストクリアの実績とギルド職員の判断により昇格となります、しかしBより上のランクは試験が必要になります。」


「な、なるほど、よく分かりました。」


「それではこれにて登録手続きは終了です。お疲れ様でした。ちなみに冒険者カードは明日の受け取りとなりますが、今からクエストを受けることも可能です。手始めに受けてみますか?」


「あー、でも僕は、田舎から来たばかりでかってがなにもわからないので、その、」


「Eランクの依頼でしたら初心者向けのものばかりなので、大丈夫だと思いますよ。おすすめはこちらの"薬草採取"です、この街の中央門前の森の浅いところで行う依頼です。危険な魔物は一切出ませんし出たとしても近くに兵士の方々がいらっしゃいますので、魔物を知ることもできますよ!」


「そうなんですね、お金も稼ぎたいし、じゃ、じゃあ受けてみます。」


「かしこまりました。それでは只今より薬草採取クエストのスタートです。ちなみにこちらが集める薬草になります、それとEランクの方には初心者セットとして肩がけ袋と採取アイテムが渡されます。」


 そう言ってうセリスはケンゴに薬草の特徴が書いてある紙と斜めがけの袋とナイフを渡してくれた。


「何から何まで本当にありがとうございます。それでは失礼します。」


 これよりケンゴの冒険者生活の幕が開く




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