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PROJECT・NOVA ~英雄たちの輪舞~  作者: たい平


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32/32

#32

カイヤナイト基地から出港した3隻のうち、2番艦にあたるヴァルキュリアにカガミ率いる 第10中隊ことスカーレット隊は、ヴァルキュリア艦載機として乗艦していた。

パイロット用待機室に入ると


「あぁ~、酒が呑みてぇ~。呑まねぇと燃料切れで動けなくなる」

スクラム准尉 元Dキャンパー 角刈り頭でアーマードブレインの操縦よりも白兵戦を得意としている。

スカーレット隊では、今回から実戦配備された複座型ラピッドファイターのパイロットである。コールサインはレッドテイルⅠ


「おっさんうるさ過ぎ!…あぁもう!?ちょいずれたじゃん!!!」

爪の手入れをしているのは西 春奈 少尉 元コルカタウン第6遊撃部隊 コルカタウンがキメラに襲われる前に、応募で来た。いまだ詳しい理由は不明。

コールサインはスカーレットⅤ


「西少尉も、今爪の手入れをするのはどうかと。もう少しで隊長が来ると思いますよ」

ラリー・栗本准尉 元ネクティア遠征第3中隊所属 中隊最年少の少年であり後方支援を得意とする。機体操縦は基本苦手。オペレーターとしては、非常に優秀。

コールサインはレッドテイルⅡ


「緊張感が無い。現地に着いたらいきなり実戦かも知れないのに」

本を片手に呆れているのは、バラム・スタンリー少尉 元ネクティア防衛7班小隊長 頭脳派の好青年。コールサインはスカーレットⅣ


「立てお前達!」と即座にカガミとメリッサに敬礼をしたのが、ラミン・J・ロシェ少尉 長い髪を髪留めでまとめている。メリッサが連れて来た元スカルルージュ隊第6小隊副隊長

コールサインはスカーレットⅢ


それに返礼をするのが、カガミの補佐役でありスカーレット副隊長のメリッサ・パーカー中尉 茶髪のショートヘアーで、ネクティア軍人の娘で元スカルルージュ隊第6小隊隊長。

コールサインはスカーレットⅡ


「おうおう!来たな隊長」

手を振りながら笑顔で迎えるのが、整備班班長・階級は曹長 川本 源 説明不要の頑固おやじで有名な整備士


他にも隊員は居るが待機室にカガミが呼んだのは、ここに居る隊員達だけだった。

カガミも軽く返礼をし待機室のモニター画面前に立つ。


「ここに君等を呼んだのは、ウチの隊に配備された機体が到着し、源さんが実戦前に専用機の最終調整が終わったからだ」

カガミの言葉に全員が驚きつつも、それぞれのテンションが上がるのが分かる。

「まずはラピッドファイターだけど…、源さん説明を頼む」

「分かった、任せてくれ。」

源さんは Sa-Jiruを操作すると画面にラピッドファイターが映し出される。

そこには機体色が赤茶色に変更され、背中の両サブアームに大型レーダードームが固定されているのが特徴的な機体になっている。

「コイツはラピッドアイ。ラピッドファイターの偵察強化型のEWAC装備だ。背中にせおってる…、コイツは説明いらねぇか。足の踵部位には振動感知用アンカーが追加装備されてる。両肩のマイクロミサイルポッドは、スモークミサイルに変更。攻撃用武装は、既存のアームガンだけになる。それとこの機体は複座型だ。パイロットは~」

源さんはカガミの方を見る。

「この機体のパイロットは、スクラム准尉。副操縦士にラリー准尉に任せる」


「うっしゃ!俺もこれからはパイロットの仲間入りだ。頼むぜラリー」

「は、はい!よろしくお願いしま…」

スクラムはラリーを担ぎ上げ

「よーし。源さん機体は格納庫だな。作戦前に動かさせてもらうぜ!」と言い待機室を出てく。

ラリーは

「ちょっと待って下さい。スクラム准尉!まだ色々と隊長の話を聞かないと」

誰も止める間もなく行ってしまった。

源さんは頭を搔きながら

「まぁ、下に居る連中が細かい説明をするだろう」と言い次の画像に切り替える。


映し出されたのは2機のラーカスだった。

「見た目はほぼ変わらないが、機体の中身はかなりの改造が施されている。ぱっと見違うと言えば武装面だろうな。まずはコイツだが」

1機のラーカスが画面に大きく表示される。そのラーカスは黄色く塗装されている。

「この機体はジェネレーターだけ、コバルトの物を流用しつつフレームと装甲はそのまま、動力パイプはポリスガードタンクの物を使った事で、光学兵器用大型スナイパーライフル通称ポジトロンライフルを使用可能にした機体だ。本来なら第二世代型しか使えない兵器だが、何とか無理をして使えるようにした。癖が強い機体と言うよりも癖しかない機体な訳だが」

「源さん、元々西少尉が持ち込んだ機体のラーカスだ。この機体には西少尉に乗って貰おうと思う」

カガミがそういうと

「さすが隊長!注文通りに仕上げてくれたじゃん。大丈夫だって、無理言った分の仕事はちゃんとするし。それと春奈でいいよ!呼びにくいしょアタシの名前。だからアタシもカガミン隊長って呼ぶね!」と言うと

メリッサとロシェ少尉が「ふざけるな!」「上官に対してなんだその態度は!!」と怒りだす。

それをカガミがなだめつつ、もう1機の機体に画像が切り替わる

緑色に塗装されたラーカスだが、こちらは更に塗装以外に他の機体との特徴差はなく普通である。

「この機体はハードポイントを各装甲ヵ所に設置したことで、隊長や団長の機体同様武装の追加変更を可能にしている。必要なら使い捨て可能な武装を各所に付けて、使用後に破棄する事が出来る」

「この機体にはスタンリー少尉、君に任せる」

「了解いたしました。隊のサポートはお任せください」


今度は画像は無いようで、源さんはロシェ少尉に

「ロシェ少尉、お前さんに頼まれてた通りに機体は仕上げておいた」

「了解した」とロシェが返事をするが、源さんは少し不安そうに

「なぁよぉ。コバルトの装甲減らして、推進量増やして機動力確保するのは分かるが、武装面がビームガン2丁とビームナイフ2本ってのは、本当に使いこなせるのか?正直お前さんに使いこなせるとは、思えないんだが」

「それは安心してくれ源さん。ロシェ少尉は、ベンベンさんの所で軽い訓練をして、ベンベンさんから進められたのが、その機体なんだ」

「本当かよ!?まぁなら一応信じるが、本当に大丈夫かよ?隊長さんよぉ、ちゃんと面倒見てやってくれよ」

その言葉に少し頬を膨らませ

「貴様は私の父親か!そこまで心配されるほど、私は弱くはない。自分の面倒くらい自分で見れる」

「そう言ってるうちは、安心できないんだがねぇ」


そして最後にメリッサの機体の話になるのだが、渋い顔をした源はカガミを見ながら

「メリッサ中尉の機体だが、本当に団長達から許可が降りたんだよな?隊長さん」

「勿論。会議中に”その”話も上がって、俺もその時に推薦した」

「いくら強力な第二世代機とは言え試作機ってのは、なにが起こるか分からない。俺が整備した機体で死なれでもしたら、目覚めも悪い」


「ふざけるな!私もパイロットとしての勤務はそれなりに長い!貴様に心配される筋合いは……第二世代機?」

源の話に怒り顔だったのが困惑した顔に変わり、軽い説明されるとそのまま全員で格納庫に向かった。


格納庫に着くとスカーレット隊の機体が多人数の整備士の手で、点検や装備チェックされていた。

奥のハンガーにイヅナが整備されており、その隣には基本は號龍とイヅナをベースに月光の形に寄せたデザインの機体がメンテナンスをされていた。

「あの…隊長!この機体は!?」

喜びを隠せない様子のリンダが、カガミに聞く

「ABF-K001-01C グラバン 次期主力量産機としてハヤテさん達が作っていた、6機の試作機。グラバンはハヤテさんが担当していた汎用機で、機動力とパワー共に高くハードポイントを各部に配置したことで、各戦場で対応可能な機体らしい」

「凄い」としか言葉が出ないメリッサに源が

「武装はカルメン社製の半光学実剣兵器 クトス を装備してある。銃器はジャガー隊長が作った、JAR-07試作ライフルが装備されている。シールドは前に中尉がコバルトで使用していた、バンカーシールドと同様の物を装備させた」


クトスと呼ばれる剣はグラバンの左腰マウントされるようで、整備士達が腰のハードポイントを点検している。

クトスはビームソードなどと違い、実剣の刀身部分からビーム刃が展開される用に設計されている。

もう一つのJAR-07試作ライフルはジャガーが制作したビームライフルで、3点バーストタイプの連射が可能でありライフルの冷却システムに負荷をかけずに威力の高いビームを発射できるように作られた。


「ありがとうございます、隊長!隊長の信頼に応えるよう、この機体で戦果を必ず上げてみせます」

「おう」と応えるカガミの隣の源は「俺は中隊長の誰かが乗った方がいいと思うんだがなぁ」と愚痴る。

「カガミ隊長がこれ程までに私を評価されているのに、川本曹長は人を見る目が無いんだな」

その後も「なにぃ!!!」と怒った源とメリッサが言い合いをしたのは想像に難くない。





数時間後


各艦の補給整備が完了し、あとは出撃の指示を待つ状況になる。

ヴァルキュリアのブリッジには艦長席の隣にもう一つの指揮官用の座席が用意されており、そこにアーリィが座っている。艦長席にはメグミ中隊長が座っている。


神電・アプサラスのモニター画面と、カイヤナイト基地・ネクティア司令部のモニター画面に、ヴァルキュリアのブリッジに居るアーリィの顔が映し出される。


「アクタイオンに向け各艦発進願います!」とアーリィが合図を出し、座席横にあるモニターに向け「ネクティアを頼みます」と言うと、モニター画面に映る軍人らしい老人が

【お任せください。…アーリィ様、どうか御武運を】と心配そうに送り出す。


アーリィの合図でブリッジに居るオペレーター達が動き出す。

「ヴァルキュリアエンジン始動。数値安定」「隔壁解放、進路クリア」「固定アーム解除確認」

轟音と共にヴァルキュリアのエンジンが動き出し、正面の隔壁が次々に開かれる。

ヴァルキュリアを固定していたアームが外され、何時でも動き出せる状態になる。

「前進微速!ヴァルキュリア発進する!!!」

メグミの指示を受け、ヴァルキュリアがゆっくりと前進しだす。

ヴァルキュリアはトンネル内を進みカイヤナイト基地から出ると、同じく神電・アプサラスもカイヤナイト基地のトンネルから出てきて合流する。

神電を先頭にヴァルキュリアが続きアプサラスが後ろに着く形だ。

カイヤナイト基地とネクティア基地からは、他にも輸送機とガンシップが飛び立つ。


カガミ他のメンバーは待機室の座りながら、必死に自分の部隊の名簿を見ながら、部隊員の把握に勤めていた。

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