表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PROJECT・NOVA ~英雄たちの輪舞~  作者: たい平


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/32

#2

カイヤナイトの本拠地から歩いて約30分、敵に出くわす事もなく仲間との合流地点まで歩む中、カガミは隣を歩くエムジーの機体の左肩に手をのせる。

【なぁ、ウチ等の機体ってさ、フレームは全部一緒なんだよな】

【なんだ急に?そうだが】

【でもさ、見た目結構違うよな】

【そりゃそうだろ。だってダイさんとハヤテさんが、見た目も変えて専用機を造ろうって言い始めたのが切っ掛けだったからな。ジャガーさんは逆に見た目を統一しようとしてたっけ】


通常フレームが同じ場合、機体の見た目が同じになってしまいがちだ。

理由として言えば、フレームに合う装甲素材や形状の選択が限られてしまう。

だが、カイヤナイト所属の機体は、同じフレームにも関わらずレアアイテムにより見た目がそれぞれ少し違う。

基本的には騎士の甲冑をモチーフにしているが各々こだわりを持っているのか、装飾品と装甲の形状に差をつけてカスタマイズしている。

現にエムジーの乗る機体。ダークパープル色の アルダート はイヅナに比べ肩を守る装甲に、ショルダーブースターと呼ばれる通常の装甲よりも少し大きな物を装着している。

足のブースター部分は、イヅナとは違い一体型だ。

近接用の武装も両腕にナイフが格納されていて、腰にダブルブレードがマウントされている。

会話を聞いていたトシが、歩調を緩めカガミの隣に並ぶ。


【そのせいで一時期、俺達をチーターって呼ぶ連中も出てきてな。運営の人間が調べに来た事もある。機体に何かしらの違法データでも仕込んでるんじゃないかってな。その時あの三人がブチ切れて、運営の人間の前で機体を仕上げたのさ】


トシはやれやれといった感じに、機体にジェスチャーさせる。

ヘルハンターと呼ばれる機体は赤をベースにした色に、装甲は必要最低限に絞られた軽量型であり、頭部には遠距離用バイザー型ゴーグルが装備されている。

武装もスナイパーライフルにサブマシンガン。折り畳み式シールドに小型ナイフを所持している。

【因みにそれが俺の機体 ヘルハンターだった訳だ】

【それと和名の機体はほぼ俺が造ってるんだ】

会話を割って入ってきたのは、ダイだった。

【ムックさんの月光(げっこう)も俺制作だよ】

【へぇー、そうなんですね】


カガミは先頭を歩くムックの機体と両隣の二機に目が向く。

先頭のムック機はイヅナのディスプレイに月光と表示されている。

機体の見た目は薄水色に重厚感が有る装甲、そして何より目立つのが武装だろうか。

背中に大型ランスを背負い、右腕にアサルトライフル、左腕に大型シールドを所持していた。

大型シールドはダイの富嶽が使用している物と形状が違う。


月光の右隣を歩く機体は、ハヤテ機と書かれておりその下に、リベラルクリフトと表示されている。

外見はダイの富嶽と同型で違いが有るのは、頭部ユニットと背中のバックパックと機体カラーが、浅緑色なところだ。

装備はライトマシンガンに大型シールド、凡用ソードとバックパックウエポンにミサイルポッドがある。


その逆側を歩く機体がリュウの機体で、デュークスと表示されている。

月光をベースに造られているのか重装甲型で頭部ユニットに違いがある。

武装には、大型ハンマーとサブマシンガンが有るのみだ。機体の配色は黄色をベースにしている。

【そう言えばさっきから、敵に遭遇しませんね。何ででしょう?】

【そりゃそうしょ。アキさん達が先行して敵を倒しながら、補給拠点確保してる訳だからね】

【ダイさんは俺の機体渡すのに残ってくれたのは分かるんですけど、トシさん達は何で一緒に残ってくれたんですか?こんな大人数で行く必要ないですよね】

カガミの疑問に、エムジーが答えた


【ここら辺からモブが強くなるし、なによりコミュニティー同士での戦いが多くなるからそれを考えてだ。待ち伏せとか考えると、今の人数でも結構不安だ。基地の周りで戦ってた時とは、訳が違う】


そう説明を受けると、カガミは操縦桿(そうじゅうかん)を強く握った。

その様子を見ていたかのように、前を歩いてたハヤテから

【そんなに心配しなくても大丈夫だよ。プレイヤーが居れば今頃アキさん達に合流して一緒にドンパチしてる頃だし、敵の反応が有ればトシさんのヘルハンターのレーダーが捕捉してくれるさ】

【なんか俺の為に、色々とありがとうございます】

【いいっていいって。それに戦闘始まって危なくなったら、ダイ君盾にすればいいよ】

【ちょっと!何言ってんですか!!】

そこに更にムックとトシが

【最悪ダイ君を生贄にして逃げてね】

【ゴキ〇リ並みにしぶといから、どうせ盾にしたって死なないでしょ】

【こ…こいつら】


カガミが苦笑いをしていたら、レーダーに反応があり前を見ると、一機の機体が手を振りながら歩いてきた。

機体の表示はマークスマインと書かれていて、小型ナイフの双剣を肩に格納しており、サブマシンガンが腰の後ろに装備され装甲はライトアーマーになっている。

機体配色はオレンジ色をベースにしてあり縁が白で塗装されている。

【皆遅ぇよ】と声と共に、カガミのディスプレイにうちのコミュニティーの中では珍しい、30代前半くらいのサラリーマンをしていそうな外見の人物が映る。

※因みにリアルの歳はもっと上である。


【すまんね、ハル君。他の皆は?】

【直ぐそこの森の中にいるんだけど…】

ハルは困った様に続ける

【ちょっと変な物を見つけたんだけどさ、説明も面倒だし一緒に見てくれねぇ】

ハルの先導で森の奥深くまで進むと、残りのコミュニティーメンバー全員と合流した。


挿絵(By みてみん)


「取り合えず全員揃ったかな」

すると、鋭い目つきに短髪頭の渋い雰囲気が任侠物に出そうな組長が、機体のコックピットから出てきて、自機の左手に乗る。

カイヤナイトの団長を務めるアキだ。


カガミはアキの機体を見て「イヅナと同じ」と呟くと


カガミの反応に答えたのは、アキの後ろで何か作業をしていた人物だった。

【イヅナと同じじゃなくて、正確にはイヅナがアキさんの號龍ごうりゅうと同じなんだよ】

カガミはその人物の方に向きながら

【あっ、ジャガーさん。イヅナの開発協力して頂いてありがとうございました】

【いや、俺一人で造った訳じゃないからね。ダイ君とハヤテさんにお礼言ってくれれば良いよ】

ジャガーと呼ばれる人物は、短髪に厳つい輪郭でダイ同様にサングラスを掛けている。

乗っている機体はダイ、ハヤテと同型機で武装が、ライトマシンガンに大型シールド。

凡用ソードとバックパック右側にガトリング砲を装備している。

因みに頭部ユニットはデザインに違いがあり、

機体名は クロスドクターで登録されている。


「カガミ君の機体はおっちゃんと同型機になるのか、すると汎用機だね。うちだと数少ない汎用機になるから頑張ろうな」

【はい、がんばります!】

カガミはもう一度アキの機体を見ると、イヅナに全体的に似ているが各所のデザインに違いがあり、まずシールドとアサルトライフルが装備されている。

イヅナと違いメインの装備があり、それがハルバートを所持している所だ。

機体配色は白をベースにした縁が金色塗装にされているとこだ。


団長のアキが口を開き、後から合流したメンバーに説明しだす。

「あそこを見てほしいんだけど」

アキが指をさす方を見ると、一見洞窟の穴にも見えるブラックホールの様な直径20メートル位の空間がそこにはあった。

空間の前には、一機のアーマード・ブレインが色々な物を投げ込んでいた。


カガミはその人物に

【お疲れ様です、ベンベンさん。何してるんですか?】

ベンベンと呼ばれる人物は振り向くと

【おう!カガミンお疲れさん。この空間が何処まで続いているか調べる為に、グレネード系を色々と投げ込んでいるのさ】

カガミのディスプレイには、鋭い目つきに左頬に火傷痕がある人物が映し出される。

団長のアキが組長のような見た目なら、ベンベンは若頭といったところだ。

因みにカガミのアーマード・ブレイン操作技術はベンベンから教わったものであり、このゲームでの師匠的存在にあたる。


アキもブラックホール状の空間前まで来て

【これがバグなのか、それとも隠しイベントなのか分からなくてね。一度きりのイベント系なら皆で行かないと損だろうし、逆にバグなら全員のデータが吹き飛ぶ可能性も有る訳で…】

【それで俺がグレネードとか投げ込んで音の反響とか、光の距離とか見ていた訳だけど…】

【それで、どうなんですか?】

カガミの質問に対してベンベンは、少し間をため込む様にして

【じぇんじぇん分かりませ~ん!】と、

その返しにその場に居た全員が『おい!!!』と返す。


【取り合えず誰か中に入りなよ、主にダイさん】

【言い出しっぺが行くべきですぜ、ハルさん】

ハルとダイが言い争っていると、横からトシが

【最初に入った人間が、報酬総取りでどうだい】

その言葉にハヤテ、ハル、ダイ、ムックが反応し、我先にとブラックホール状の空間に入ろうとする。


【俺が先に確認してくるよ!皆の安全の為に】

【いいや、言い出しっぺだし、俺が行く】

【年配者に先に行かせるなんて、そんな失礼なことできんでしょ。俺が行きますよ】

【綺麗事言ってるけど、皆報酬目当てでしょ】

『当たり前じゃないですか!!!』

ハヤテ、ハル、ダイが息を合わせた様に答える。

4人がお互いの機体を押さえつけ先に行かせまいとしていると


【おぉ、洞窟みたいに奥まで道が続いてるみたいだぞ。出口か?奥の方から光が漏れてる】

『えっ!?』

4人が驚いた時には既にリュウがいつの間にか先に、一人でブラックホール状の空間に入っていたのだ。

さすがのアキも驚いたのか【おおぉぉぉ、リュウさん先に行っちゃったんかい!皆行くよ!!】と、急いでブラックホール状の空間に入る。その後に続いて何人か空間の中に入る。

カガミとエムジーも続いて入ろうとしたが、ジャガーが入るのを躊躇(ためら)っていた。


【ジャガーさん、皆行っちゃいますよ?】

【行かないんですか】

【俺も勿論行きたいけど…】

ジャガーはとある方向に機体の頭部を向ける。

するとそこには、ここまで機体と装備・弾薬を運んできたトレーラーが3台あった。

しかも弾薬はまだトレーラーに積まれた状態である。

【見張りが居ないと、他のプレイヤーに持っていかれる可能性があるからね】

【でもトレーラーと弾薬だけですよね?そんなに重要ですか】

カガミの反応にやれやれといった感じでアルダートにジェスチャーをさせるエムジー

【他のゲームならともかく、このアーマード・ブレインだと世界感がリアルになっているからな。機体以上に弾薬や機体の整備に基地の維持費と、とにかく金と資材が大量に必要になるんだよ】

【今回運搬してきた量を盗まれるのは痛手にはならないとしても、ただで盗られるのは面白くないからね】

そこにまだ残っていたトシが

【トレーラーの鍵は掛けたんだろ、なら弾薬は最悪諦めてもいいよ。それにそんなに長く探索もしないだろ。俺は明日も仕事だからそんなに長く出来ないし、他の連中も似たり寄ったりだろうし】

【まぁ、うちの財政管理をしているトシさんがそう言うなら、そこまで心配しなくてもいいか】

【それよりもこれが緊急クエとかなら、早く行かないと不味い事にならないか】

【そんじゃ行きますか。カガミ君、エムジーさん行くよ】

トシとジャガーに続いて、カガミとエムジーもブラックホール状の空間に入っていった。



そう…彼らはまだ知る由も無かった。

これが何者かによる導きであり……もう戻る事の出来ない旅になることに…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ