表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/245

紺の疾風

 「さあ、始めましょうか……」

と、ウプイリはシオンに突進する──回避する間もなく、その距離が詰められる。

ウプイリのパンチ、いや、腕を振り回しているだけだ──銃弾のような拳がシオンを吹きとばす。

追撃の蹴り──サッカーの蹴りのような、およそ格闘技とは呼べないような代物が──雷光のような速度でシオンを上空に蹴り上げる。

「ぐっ……!」

跳躍したウプイリの乱雑な踵落とし──シオンは地面に叩きつけられ、アスファルトに放射状のひびが入る。

「強い……!」

技の鋭さはおろか技そのものがないと言って過言ではない、身体能力だけに頼った戦い方──だが、力も速度も桁違いだ。

──まるで獣と戦ってるみたいだ。

シオンはひび割れたアスファルトの上、ふらつきながら立ち上がろうと──よろめき、膝をつく。

──くそ、ダメージが残ってるか……

ここで動けないのは命取りだ。シオンは焦り、立ち上がろうとするがふらつく足は言うことを聞かない。

「やはりヒーローシステムは弱い……ハンドルギアこそ、人類の進化の鍵……貴方はそろそろ用済みですかね……余計な事をされる前に……」

ウプイリはマントを翻し、右手を真横に掲げた。

その右手に黒い煙が集まり、鋭く長い剣を形成する。

ウプイリは剣を構え、シオンに迫る──

「させるかよ!」

疾風のように現れた紺色の影がウプイリの背中を蹴り飛ばし、不意を突かれたよろめかせる。

「随分とボロボロだな、イモムシ!」

シオンに手を貸し、立たせたのは紺の戦士、ロムルスだった。

「よぉ、ヒーロー。遅かったな」

と、シオンは皮肉めかして蒼に言った。

「誰がヒーローだ。俺は……まあいいや。あいつが何なのかは知らねえけど……」

蒼は構え、続ける。

「俺とお前なら、倒せない敵なんていないだろ?」と。

シオンも構える。

「少なくとも一人よりはマシだな。頼むぜ、ヒーロー!」

「だからー。誰がヒーローだっての……」

「一匹が二匹に増えようが、圧倒的な力の前には無力……そういえば、貴方も邪魔でしたね、千疋蒼……ちょうどいいので、まとめて塵にしてあげましょう……」

左手にも黒煙が剣を形成し、ウプイリは二刀をだらりと垂らすように構えた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ