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商店街

 翌日。久々の休日で羽を伸ばそうとしていたシオンに朝っぱらから怪人出現のメールが来ていた。

[いい加減にスマホの充電をしろ]という追伸を無視して、シオンは怪人の出現した商店街へ向かった。

「相変わらず寂れてんなー……」

大手のショッピングモールができ、シャッター街となった商店街。 ショッピングモールの経営も傾きいずれ潰れるのではと噂されているが、かと言って商店街に活気が戻るわけでもない。

数少ない生き残っている店も開店時間まで2時間ほどあるため、当然のごとく全く人通りはない。

「さて、怪人は……」

ジュピターに返信したシオンの視界に、矢印が映る。

[あっちの方だよ]と。

指し示された方向に向かっていると、背後に殺気を感じた。

振り返ると、目に映ったのは鉄杭。

突き出されたそれを皮一枚でかわす。反応が遅れていれば貫かれていたかもしれない。

「あっぶねぇ!」

「ふん……しくじったか」

「なにすんだよお前!」

「害獣駆除だ。」

「まだ言ってるのかよ……というかなんでここに?」

さてらいとのサポートがあるシオンたちはまだしも、ただの人間が怪人の出現をこれほどに早く察知し現場に向かえるものだろうか?

「お前が知る必要はない。」

「ここで争ってる場合じゃないだろ!」

「お前を駆除する。もう一匹はその後で駆除する。」

「あー、もう!話が通じない!」

シオンはやけくそで半身を取り、構える。

──怪人は多分キキが…ビップがなんとかしてくれる。まずこいつをなんとかしないと。

黒衣の男は昨日の反省を活かしたのか二本の鉄杭を構える。

──二刀流、いやニ杭流か。

黒衣の男が鉄杭を横殴りに振る。シオンは掴み、奪おうとする。男はもう一本の杭を振り下ろす。

「効かないって──ぐあああ!」

全身に痺れるような衝撃。

否、「ような」ではない。二本の杭からスタンガンめいて流れる高圧電流が、シオンを襲う。

全身の筋肉が痙攣し、動けない。

男は杭を持ったまま動けないシオンにトドメをさすため、背負っていた筒から新たな杭を取り出す。

「終わりだ、害獣。」

男がシオンの喉元に狙いを定める。

「させるかぁ!」

叫び声とともに何者かが突然現れシオンを蹴り飛ばす。

「うわぁ!っ…助かった!」

シオンを電撃から救ったのはマフラーをターバンのように顔に巻き頭と口元を隠し、スノーボード用のゴーグルをかけた……ヒーロー?

ジャージ姿と背丈からシオンにはそれがキキだとわかったが、なんの意図があるのだろう。

「待たせたな! 月極げっきょく仮面、参上!」

月極つきぎめだと思う…」

息も絶え絶えにシオンは訂正したが、マフラーで耳を覆ったキキには多分聞こえていない。

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