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決戦
数分とせず、シオンたちを乗せたサテライトは群体船の落下地点、隣町の砂浜に到着した。
「これは……」
シオンは言葉を失う。
そこには想像していたよりも遥かに巨大な、不気味な肉の塊が波を浴びていた。
「……」
レドクスは何も言わず、かつての住処を眺める。
「これ……中に敵とかいたりしないのか?」
「我のように振り落とされたか、あるいは中で潰れて死んだか……なんにせよ中に同胞の気配は無い」
「そうか。ならいいけど……いや、いいのか?お前にとっては仲間だったわけだし……」
「いや、構わん。我が妻を食らった奴につくのであれば、敵だ」
レドクスは拳を握りしめる。
「さて、そろそろ来る頃だよ」
人型に戻ったサテライトがシオンたちに言った。
遠くから群衆の足音のような地鳴りが響く。
「変身!」
シオンはチェンジャーにギアを装填し、変身した。
けたたましい変身音は、地鳴りにかき消され──怪物の集団が姿を現した。