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キュステアの初陣

 「いるんでしょ、隠れたって無駄だよ。」

キュステアの声に、ぞろぞろとヴォイドが姿を現す。その数は20や30ではない。彼らはあれからも仲間を増やしていたようだった。

皆、殺意を隠すこともせずキュステアを見つめていた。

「ひっ……」

ニルニはその雰囲気に耐えられず、腰を抜かしペタリと座り込む。

「ニルニ、大丈夫?」

「だ、大丈夫……じゃない……」

立てない、足が言うことを聞かない。

「大丈夫。私が守るから。あなたは動かないでいて。それなら巻き込まないで済むから」

殺気が満ちた空間、キュステアは静かに言い放つ。

「守る……って……こんなにたくさんのヴォイドたち……あなただけでも逃げたほうが……」

「大丈夫。友達を置いて、こんな弱い奴らから逃げるほど臆病じゃないよ!」

キュステアはニルニに微笑みかけ、同時にキュッと踏み込む音をさせ──風船が破裂するような音が響く。

突風が吹き、ニルニの髪を揺らす。キュステアの姿は見えない。だが、彼女はそこで戦っている。

地面が揺れる。窪んだ床面には倒れ伏す男性型ヴォイド。ピクリとも動かない。

──死んでる?

キュステアは確かめようとし──思い返す。キュステアに動くなと言われていたことを。

風は止まない。破裂音がまた響き、胸に大穴を開けた女性型ヴォイドが一人崩れ落ちた。

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