表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
221/245

教育者

 「あら、また一人で飲んでる。友達いないのね、あなた」

得嗣が帰ってから数分。チリチリとなる鈴の音とともにバーに入るなり備に話しかけたのは、背の高い女だった。

「いや、さっき帰っただけで友達と来てたぜ?」

と、備はカウンターに中身の半分入ったグラスを置く。

「ふぅん、まあどっちでもいいけどね。聞いたとこだけど、なんかまずいのが増えてるって?」

「ああ、そうだな。まあなんとかなるさ、多分」

「多分!?多分じゃだめよ。確実にアイツらを倒しきらないと、いい加減死人が出てもおかしくないんだから……」

女は神経質に髪をかきあげる。柑橘のような香りが一瞬だけ空気を染め、消えた。

「それを防ぐために俺たちが過労死したら本末転倒だ。今は戦力が整うのを待たないと……そっちの首尾はどうなんだよ」

「火の担い手はもうすぐ戦力になると思うけど……ほかはまだいまいちね。」

「そうか。戦力部隊が俺含めて5人じゃだいぶ少ないからな。頼むぜ、教育の担い手。」

「その呼ばれ方、嫌いだって前も言わなかったかしら?ちゃんと名前で読んでよ。庠院しょういんでも典歌ふみかでもいいから」

「あー、はいはい。頼んだぞ典歌。そうだ、なんか飲むか?今日は奢るぜ!」

「そうね。ごちそうになるわ。マスター、この店で一番高いお酒を」

「えっ」

備がなにか言う間もなく、バーテンダーはカクテルを典歌の前のカウンターに置いた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ