表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
219/245

手加減

 「一週間くらいは起き上がれなくなると思うけど……恨まないでね」

プラーガの瞳と拳が怪しく輝く。

その正拳突きを払いのけたロムルスは、横蹴りをプラーガの胴に叩き込む。

「がっ……ぐう……だがこちらに触れた時点で……」

「うるせええええっ!」

ロムルスは踏み込み、追撃の拳が隻眼の頭部に直撃する。

「なっ……なぜ倒れない!ウィルスは確かに……」

「そんなもん効かねぇよ!」

回し蹴りがプラーガの肩装甲を砕く。

「まさか……炎の熱で……!」

破れかぶれの正拳突きを蹴りあげられ、プラーガは体勢を崩す。

「もうちょい早く気づくべきだったな!オラァ!」

がら空きになった腹に、ロムルスは強烈な正拳突きを放つ。

プラーガは声もなくうずくまり、その変身が解けた。

「嘘だろ……ヒーローがここまで強いなんて……」

「あ?違うぜ。俺はヒーローじゃない。ただの喧嘩っ早い怪人崩れだ。ほんとのヒーローはこんなもんじゃないぜ?」

「よくわかんないけど……あー、なんかもういいや。好きにしなよ。殺すでもなんでも」

「そんなことするほど落ちぶれてねえよ。こっちの気は済んだから帰るぜ。お前も気をつけて帰んな。」

変身を解いた蒼は手を振り、去っていった。

「何なんだよ、あいつ……馬鹿にも程があるだろ……」

プラーガの変身者──得嗣はぼやく。ダメージは少なくないが、臓器や骨に損傷はなさそうだ。

おそらく手加減されたのだろう。それだけの力の差があった。スペックで言えばこちらのほうが上のはずなのに。

「馬鹿だけど……悪いやつじゃなかったなぁ。」

得嗣は空を見上げた。星がいつもより綺麗に見えた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ