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 帰り道、シオンは不穏な気配を背後に感じ、ふりかえった。そこにいたのは血管のようなオレンジの網目模様を全身に走らせた鎧猪とでも呼ぶべき怪物がいた。

「怪人か。最近見なかったけど……とりあえず夜道に急に現れるようなやつは倒していいよな!」

シオンはチェンジャーを装着し、変身する。

けたたましい変身音が田舎らしく人がいない夜の通りに響き渡る。

光に包まれたシオンは緑の戦士、ジュピターとなり──同時に怪物を殴りつけた。

「効かぬ!」

怪物はばしゃりと体を液状化させ、ジュピターの拳は怪物を通り抜ける。同時に伸びた毒牙が緑の装甲を穿つ。

「この感じ、ヴォイドか。手加減の必要はなかったな!」

ジュピターの装甲が光り輝き、金色に染まる。

穿たれた部分の装甲は再生しながら熱を持ち、打ち込まれた毒を焼き尽くした。

「貴様は……選ばれし者か……お前さえいなければ、我らはこのような姿に見をやつす必要も無かった……」

怪物の声が怒りを含む。

「知ったことかよ」

踏み込んだジュピターの掌底が怪物を打つ──遅れてバンッ、と破裂音が響く。

「なっ……!」

怪物の腹に風穴が開く。再生も液状化もできないまま穴は広がり、上半身が維持できず地面に落下する。

「なぜ……なぜ再生できない!?こんな……一撃で……」

「駄目元だったけど、意外とうまく行ったな。まあ細胞一個一個ぶっ壊れるまで揺さぶられたら流石に死ぬか。こっちも割と手が痛いけど」

ジュピターは手をぷらぷらと振りうごかす。

「馬鹿……な……」

怪物の胸が、首が──そして頭も粉になって風に吹かれ、消えた。

「バカはお前らだよ。人間舐めんな」

変身を解いたシオンは、何事もなかったかのように帰り道を再び歩きはじめた。










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