復帰
「未だ私に楯突くかね、忠犬くん!」
キュクロプスは稲光をロムルスに向けて放ち──石の盾に阻まれる。
「見るからに雷野郎な奴に対策練らないとでも思ってたかよ!」
ロムルスはさらに巨大な石筍を作り出し、投げつける。そしてそのまま地面に落下し、さらに跳躍、空中のキュクロプスに殴りかかる。
「ほう。犬なりに頭は回るようだね。ではこれはどうかね?」
キュクロプスは紙一重で石筍をかわし、数百に枝分かれした雷を放つ──ロムルスはそのまま突っ込み、雷をまともに受ける。が、その勢いは止まることなく─
「うおおおおおおっ!」
「何っ!?」
岩を纏った拳と、反動を乗せた斜めの踵落としがキュクロプスを地面に叩き落とす。
「こんくらい、痛くも痒くもねえ!」
地面に降り立ったロムルスの全身からは煙が上がり、土のような色の装甲は、黒くくすんでいた。
「また痩せ我慢かね、そういう根性論は一番腹が立つね!」
キュクロプスは雷撃を放つ──地面から突き出た巨大な石柱に阻まれた。
「ああそうかい、お前みたいな根性無しに言われると気持ちがいいね!」
石柱の影から、ロムルスは飛び蹴りを放ち──頭部に命中する。ぐらりとキュクロプスの体軸が傾く。
「ぐっ……犬コロが……犬コロ風情が!」
キュクロプスはやみくもに雷を放つが──
「犬が嫌いなら俺が相手してやるよ。」
雷はすべて、緑の戦士、ジュピター──シオンの装甲に吸い込まれた。
「悪いな、ちょっとぼーっとしてた。」
「いや、ちょうどいいタイミングだ。こいつぶっ倒しゃ終わりだ、とっとと終わらせようぜ!」
ジュピターとロムルスは互いに頷き、キュクロプスに向かって駆け出した。