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アパートの中年男の部屋に戻ると、亀の怪人が上機嫌で割れた窓ガラスを掃除していた。

ひどい音程の鼻歌だ。

「あっ、兄ちゃん、おつかれさん。お茶でも飲むか?」

「いや、いい。悪いことしてないだろうな。」

「するわけ無いって!俺はいいやつなの!根は!」

「どうだか。」

 ふと割れていた窓を見ると、十字型の金属片でびっしりと埋められている。

「何だあれ?」

「おう鋭いね!このギアすげえんだよ!手裏剣を無限に生成できてさ!」

「何だその能力……」

となるとこの窓を埋めてるのは手裏剣と……ガムテープ。

雑だ。

『亀だからね、そういうこともあるよね』と、チェンジャーから声が聞こえた。

無駄な機能まで追加されたようだ。

これ以上の詮索はなにかよろしくない気がしたので、シオンは考えるのをやめた。


 で、借金取り?の二人はどうなったんだ?

「逃げられた。」

「まずいな。」

戦力を整えてまた来られたら厄介だ。次は三人、いやもっとか。

「大丈夫大丈夫!痛い目見せたからもう来ないって!」

「会って一日もない人にこういうの言うの失礼かもしれないけど、あんたダンゴムシ以下の学習能力しかないのか?」

痛い目を見せた結果があの怪人2体だろ。

次は怪人三体、いやもっとか?とにかくさっきよりまずい状況になるのは間違いない。

初手突き落としも何らかの対策を講じてきて通じなくなるだろうし。

あいつらと一度敵対した以上、無関係ともいかないだろう。

シオンの懸念も知らず、亀の怪人は鼻歌とともにちりとりのガラス片をそのままゴミ箱に流し込んだ。

ただでさえ下手な鼻歌に、ガラスの鳴る音が不協和音として重なる。

ここにいても何も得るものはないので、シオンは帰ることにした。



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