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 「よお兄ちゃん、久しぶり!」

ステージ裏、シオンに手を振ったのは見覚えのあるハゲた中年──鼠島だった。

ハゲ散らかっていた髪をスキンヘッドにし、体も引き締まっていたため一瞬誰かわからなかった。

「なんか……ずいぶん鍛え直したな。」

「当たり前よ!手裏剣製造の傍らヒーローショーの悪役派遣も始めたから、鍛えなきゃいい動きできねえしな!」

ガハハ、と鼠島は笑う。思っていたより努力家なようだ。事業を複数展開する行動力とひたむきさがありながら借金を背負っていた理由が気になったが、今はどうでもいい話だ。

「今日はよろしく。」

「おう!普段の人は怪我だってな。お大事にって伝えといてくれ。おっ、そろそろ時間だな。行くぜ。」

鼠島がギアを握りしめると、その姿は亀の怪人に変わる。どことなく忍者装束に似ている。何かまずい気がしたが気にしてはいけない。

亀の怪人は軽快なステップでそのまま舞台に上がっていった。

「イャーッ!!!ドウモ皆様!今日はこの商店街を我が手中に収めるために遠路遥々!黄金の国!ジパーングよりやってきました!まずは皆さん!ひれ伏し、許しを請いなさい、さすれば命までは……」

そろそろか。シオンはチェンジャーを装着し、叫んだ。

「待てっ、そうはさせないぞ!」

──慣れてきたかな、けっこういい声が出るようになった。

ステージの向こう、歓声が聞こえた。

子供の声。元気をを貰えるような気がする。

「よし、行くぞ!」

シオンはチェンジャーを操作し、舞台に飛び出した。


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