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怪我

 蕎麦屋「雪月花」。シオンを出迎えた大取は、右腕に包帯を巻いていた。

「やあシオンくん。ちょっと今日はまかない作れなくて……悪いね。」

「どうしたんですか、それ?」

シオンは心配そうに尋ねる。

「いや、大したことないんだけどね。かまいたちにやられちゃったのかぱっくり急に裂けてね……びっくりするねあれ。」

大取は何でもないことのように言う。

シオンはふと、ヒーローになったばかりの頃に警官が言っていた言葉を思い出した。

──最近かまいたちが多いと、あの警官は言っていた。あれがほんとなら……

偶然、かまいたちが多発するなどそうそうないだろう。考えられるとすれば──

「悪意ある怪人の仕業……かも」

「怪人?いなかったよそんなの。流石に気づくし、そんなことやるほど暇な人なんて……」

「いたんだよ、そんなことやるほど暇な奴。嫌というほど戦った。そして煙になる怪人は見たことがある。透明になれる、もしくは目にも止まらぬ速さで動ける怪人がいても不思議じゃない」

「そっか……だとしたらまずいね。私は腕で済んだけど……」

「腕だけで済んだ、じゃない。雇用主の腕切り裂かれて黙ってるほど呑気だったらヒーロー失格だ。今日店休み?ヒーローショーは……」

「一応怪人役の人は呼んでるから大丈夫。ごめんね」

「大取さんが謝る必要なんてない。悪いのは怪人、もしくは自然現象だ。ショー終わったら犯人探してくる。お大事に」

シオンはショーのため、蕎麦屋を出てステージに向かう。少し空腹を覚えたが、腹ごしらえは後回しでも構うまい。







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