再会
「ウウアアアアァ……!」
怪物は最後の力を振り絞るかのように吠えた。
その口から、杭が無数に生え──寄り集まり、一本の巨大な杭となる。
「ウウアアアアァ……!」
怪物は二度地を掻き、突進する。地響きとともに加速しシオンを串刺しにせんと──
「うおおおおおっ!」
シオンは叫び、迫る巨大な杭を右拳で横殴りに殴りつける。ぐらり、と怪物の体軸が傾く──
「そこだあああっ!」
『フィニッシュムーブ! バニッシュインパクト!』
輝く左拳が、怪物を撃つ。
ガァアン、とハンマーで鉄骨を打ったときのような音が響き渡った。
「ウウアアアアァ……」
怪物は地面に膝をつく。その羽が背中の一部ごとずるりと抜け落ちた。
「なんだ?まだ人間に戻っていない……」
シオンは首をひねる。
『おかしいね……それにあの羽のついた肉塊……』
と、チェンジャーからさてらいとの声。
「ウウ……アアアアァ……怪人ハ……全テ……」
怪物は倒れる。その姿が人間に戻ることもないまま。
「終わった……のか?」
シオンは背後に倒れる蒼──ロムルスの方を見やる。
あちこちの装甲が砕け、周囲の地面は血に染まっているが、幸いなことにまだ無事らしい。
「ずいぶん……寝てる間に強くなったな、シオン……」
いつの間にか目が覚めたらしい蒼は、両手で身を起こしなんとか立ち上がる。
「みたいだな。良かった、無事で。」
「よせよ……なんかこそばゆい。あ……そうだ。飲みに行こうぜ……せっかく……こうやって……」
「だいぶ無理して喋ってないか?ちょっと休んだほうが……」
「大丈夫だ、スーツの治癒作用があるらしいから……だいぶ楽だ……」
そう言いながらも、蒼は地面に座り込む。治癒はできても、失った血まではカバーできない。
「あんま無理すんなよ。輸血とかしたほうがいいって、医者じゃない俺でもわかるんだから。……お前らのとこ、輸血パックとかある?」
「確かあるはずだ……けどよ、せっかくバスで見舞いに来たんだから……隣町の店で……タタラも来てるんだ……」
「さっき会ったけど……どこ行ったのあの子?」
「助けを呼びに行ったはずなんだが……連絡してみるか……」
蒼は携帯を取り出そうとし──突如、空から慇懃な声が聞こえた。
「仲良しごっこの最中に申し訳ないんだがね、まだ終わっていないよ。」と。




