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片翼シリーズ番外編  作者: 星宮歌
私、異世界で監禁されました!?の番外編
17/41

ひな祭り ジーク&ハミル視点

ちょっと過ぎましたが、魔国流ひな祭りです。


それでは、どうぞ!

 桃の節句、ひな祭り。それは、女の子の健やかな成長を祈る日であり……片翼の女性に愛を囁く日でもある。

 そんな日に、俺とハミルトンは、とあるものをようやく完成させていた。



「できたな」


「うん、できたね」


「ユーカに見せるのが楽しみだ」



 これは、片翼の女性の部屋に飾るもので、ユーカが図書室に居るのを確認して、こっそりと飾っていた。

 そして、その時は来る。



「? ジークとハミル?」



 最初に、俺とハミルトンが自分の部屋に居るという事実に首をかしげ、次の瞬間、俺達の背後に視線が向く。



「こ、れ……」


「雛人形だ」


「僕達の手作りだよ」



 そう言って見せたのは、今日、この日のために作っていた雛人形。俺とハミルトン、そして、ユーカを模した三体の雛人形だ。



「えっ? えっ? 雛人形? 何で、ジークとハミルに、私?」



 どうやら、ユーカの故郷にはひな祭りがないらしい。そこで、俺達はひな祭りについて説明する。



「ひな祭りは、女の子の健やかな成長を祈る日で、女性の片翼を持つ魔族にとっては、片翼の女性に愛を囁く日でもある」


「だから、今日は思いっきりユーカを甘やかすからね?」



 お互いの仕事の事情で、朝からの甘やかし、とはいかなかったが、その分、今からしっかりと甘やかすつもりだ。



「雛人形は、家族の幸せを形にした人形だから、必ず夫婦、そして、子供が居れば、子供の人形も増やしていくことになる」


「ユーカとの子供ができたら、新しく人形も作るからね」



 そう言うと、ユーカは混乱しながらもうなずき、もっと近くで人形を見たいと言い、人形の前まで招いてみる。



「ふわぁ……」



 どこか、目をキラキラさせながら、俺達と人形を見比べるユーカ。服装こそ、人形は着物を纏っているものの、顔立ちはそこそこ似ていると思う。俺もハミルトンも、しっかりと力作を持ってきた。ちなみに、ユーカの人形は、俺とハミルトンの合同作だ。



「二人の着物姿……」



 ただ、何やらユーカの視線が怪しい。それに気づいた時は、もう遅かった。



「メアリー! ジークとハミルを着せ替えたいですっ!」


「承知いたしました。それでは、お二人を連行致します」


「ユ、ユーカ?」


「えっ? ちょっ!?」



 俺達は、あっという間にメアリー達の手によって簀巻きにされ……なぜか合流したハミルトンの方に居たはずの侍女達とともに、延々とユーカが選ぶ衣装の着せ替えをさせられることになる。



「とっても楽しかったですっ!」


「そ、うか」


「あ、はは……ユーカが楽しかったなら、それで良いや……」



 若干グロッキーになりながら、俺達は、ユーカを甘やかす計画を完全に崩され、うなだれるのだった。

なぜだろう?


ジークとハミルは不憫な運命しかないような気がしてきました。


そ、それでは、また!

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