夜
頭痛い
そして、その日の夜。
個室に別れている太一と結衣。その太一の
いる部屋に来客が訪れた。
コンコン。
「はい、どうぞ。」
こんな時間に珍しいと思いながらもドアを
開きにいく。
「こ、こんばんわ。」
結衣である。
「え、えっと、こんな時間に何の用?」
「少し、話したいことがあって...。」
「まぁ、どうぞ。」
そのまま、部屋に招き入れ、ベッドに座って
もらう。
「えっと、今日のことで心配になっちゃって、
これからどうなるのかなって。」
周りに仲間がいない中では、頼れる人がいな
かった。
「そうだなぁ、俺にもそんなのはわからないさ。
ただ、一つ言えることはもとの世界に戻るためにはこの国の人の話だと二年はかかるということだ。」
そして、はぁ、と一息大きなため息をつくと、
「ただ、本当かどうかも分からない。」
「じゃ、じゃあどうするの?」
「まぁ、先ずは自分を守る力をつけることからかな?それから、帰る方法を本格的に探すのが得策だと、思う。」
結衣は心配なのか、体を震わせているようにも見える。
「俺が守ってやる。なんて、言えたら格好いいんだろうけどな。俺にはそんな自信はないし、そんな格好よくもない。」
自分の手の届く範囲を理解する。主人公みたいになにもかもがうまくいかない。それもわかってる。それでも、
「ただ、同じ同郷であるからには手の届く範囲にいる限りは見捨てるつもりはない。そう思ってる。」
...。
「ふふ、優しいんだね。ありがとう、少しは勇気出た。遅くにごめんなさい。そして、おやすみなさい。」
そのまま、ベッドから立ち部屋を後にする。
この夜の出来事。
それがこの二人が会話をするようになる、大きなきっかけになったのである。