表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/39

結末

結衣はこうして、復讐の最後の相手、人間の王のところにたどり着いた。


行く先を阻む者はもうどこにもいない。全ての邪魔者を消し去った。


兵士も同郷の勇者も、クロウドも...。


「さっさと殺してしまったらどうです。念願の復讐がやっと果たせるのですよ?それとも、感傷に浸っているのですか?」


後ろからの声。すぐに振り向くがそこにはシャムがいるだけで他に誰もいない。


気のせいではない。それは間違えようがないと確信しながら、前を見る。


目の前に顔があった。


「ーーーっ!」


流石の結衣も動揺を隠せず、すぐさまその場から飛び退く。


「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか?...この口調も疲れたな」


そいつは紛れもなく先ほど灰になった筈のクロウドであった。


「やけに呆気ないと思ったわよ。でも、私の前に立ちはだかるのなら容赦しないから」


結衣も本気を出していなかったのか、先ほどまでよりも早いスピードでクロウドに近づき、攻撃を仕掛ける。


「はぁ、聞き分けの悪い奴だ。さっき、言ったろうがよ。あの王を殺したきゃ殺せ。前回の俺は全力で負けたんだからよ。邪魔する気なんてさらさらねぇよ」


フェイントやら魔法やらの手数の攻撃の全て、何もかもを無力化しながらクロウドは続けた。


「俺はこの結末を見てここから去るつもりなんだよ。さっさと殺せ。出来ないならさっさと帰れ」


「...分かったわよ」


クロウドの横を通り過ぎ、王の正面に立つ。


「命乞いも何にも無しなのね」


「ふん、しても無駄なことは分かってる。

敵わないことも全てな。さっさと殺れ。貴様にはその権利がある」


少しの沈黙があった。


結衣が何を考えていたのかは結衣しか知らない。


拍子抜けだと思ったかもしれない。やっと復讐が終わると考えたのかもしれない。クロウドの意を探っていたのかもしれない。


感傷に浸っていたのかもしれない。心に整理をつけていたのかもしれない。


結衣の頰に涙が伝った。


そして、刀に手を掛け、結衣は....。


あとはエピローグですね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ