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クロウド

頭痛い

ズドゥーン


そんな大きな音と共に王の間の扉が大きく吹っ飛び、王の座っているところまで飛んで行く。


しかし、王は避けようともせず、椅子に堂々と座り続ける。


飛んで行く扉は予想通り、王には届かない。


一人の男が扉を蹴飛ばしたのである。


「先代勇者の結衣様。お待ちしておりました。要件は把握しているつもりですが、一応お伺いしてもよろしいでしょうか?」


「単純明快、簡潔に言うわ。そこの王座でふんぞり返ってる王を殺しに来たのよ」


「僭越ながら、私、クロウドがお相手を。未熟な身ですので、胸を借りるつもりでいかせて頂きますが」


「胸を借りるねぇ。貸すのはいいけど、お代は命になると思うわよ?」


「では、こちらから」


クロウドが名乗る執事のような男は走り出すことも攻撃を繰り出すこともしない。


瞬間、結衣の視界から消える。


クロウドの攻撃は結衣の後ろから行われる。なんてことのない手刀が右上から振り下ろされるが辛うじて結衣は反応し、回避することに成功する。


しかし、振り向いた時には既にクロウドの姿は見えない。


「...上ね」


見えない移動方法ではあるが気配なら掴める。その気配を頼りにして、攻めるのだから

若干のタイムラグは存在する。


そんな攻防は続くが徐々にではあるが、クロウドの攻撃に結衣の反応が追いつかなくなり始め服に切れ目が付いている。


「なかなかの能力ね。鬱陶しい」


目を閉じ、構えを解き、自然体になる。


「なにをしようというのですか?」


現れては消え、現れては消えを繰り返す。

用心をするには越したことはない。


速さを上げる。速さを上げることで残像までもが見えるようになり、気配で感知などという器用な真似はできないと言ってもいい。


クロウドが...攻撃に移る。


結衣のすぐ後ろから現れて手刀を首へと当てる。


「なっ!」


確かにクロウドの手刀はお手本のようにとてもきれいに結衣の首にあたった。


それでも、クロウドが驚いたのは結衣が当たった時の刹那の時間にクロウドの手首をがっちりと捕まえたところにある。


「捕まえたら流石のあなたも逃げれないでしょう?」


掴まれた手から黒い火が襲って来たと思えばそれは全身へと回ろうとする。


クロウドは自らの腕を切断しようとする。


「無駄ね、予想通りなのよ」


切断するための左手が振り下ろされるのに合わせて左手も受け止める。


受け止められた両手では黒炎が消えることなく燃え続け、本当に全身へと回る。


やがて、黒炎はクロウドの全てを燃やし尽くし、クロウドは跡形も残らず灰になる。


「あとは、くそったれの王、あなただけね」

もうほんとに終わります。そろそろ

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