殴り込み
魔王が死んだ。
そのニュースは確かに全世界に広まることになるだろう。
しかし、ユイの行動は早く、王の耳に入るときには既に城下町にユイはいた。
「もう、城下町にたどり着いているだと?貴様ら、それでも、この国の諜報部隊か!...もういい、下がれ」
王の叱責が王の間に響く。
諜報部隊がすごすごと下がっていくなかで、隣にいる懐刀であるフロガーはため息交じりに進言する。
「はぁ、予想以上の早さですね。恐らく三日以内にはこの城に攻めてくるのではないでしょうか?まさか、あの胡散臭い魔王がやられるなんた思いもしませんでしたが」
「ふむ、そうだな。こちらにはあやつの同郷の勇者も呼んでいる。それに、こちらは防衛側の訳であろう?攻めても諦めるのではないか?」
「その可能性はないでしょう。魔王側も防衛側でありましたし、現に落ちてしまいました。相当の戦力なのでしょう。あとは、あちらがどのようにしてやられたかを調べております」
しかし、王もフロガーも誰も予想をしていなかったのである。
ズドォーーン。
そんな爆音と共に兵士が駆け込んでくる。
「あの勇者の大罪人が門を破壊し、侵入してきました」
フロガーはそれでも動揺を隠し、的確な指示を送っていく。
「いま、城にいる全勢力を集めろ。それから、勇者の四人を大罪人にぶつけ、撃退、いや、殺してしまってかまわない」
兵士は急いで情報の伝達。
その頃には、ユイはというと城の中へと既に入り込んでいた。
「相変わらず、糞みたいに広いわね。よくもまぁ、こんな権力の固まりみたいなとこに私もいることが出来たわね」
やがて、大広間に出る。
そこには、目を疑うほどの兵士がいた。
ユイが城にいた時にはこんなにいなかった。兵士の質もここまでではなかった。
なにかがあったのだろう。
しかし、それがなにかを知りたいとも理解したいとも思わない。
ユイの隣にはもちろん、シャムがいる。
「悪いけど、ここは通させて貰うわよ?」
とても凶悪で妖艶でいて、それでいて、悪魔のような笑顔だった。
ごめんなさい、少し雑になりました。
あと少しで完結すると思います。




