魔王城
やばい、文字数が足らねぇ
とびきりの説教を受けたユイはシャムの機嫌を頑張って直した。
そして、町を出た。
魔王城までの道のりはまだある。だが、ユイは悠長にすることなく進むことを決める、
シャムは正直、戦闘が出来るわけではない。
だから、ユイが背負うことになる。
先に言っておく。別にどうということない前置きであり、何かの伏線でもないし、何かがあるわけでもない。
さて、そんな二人だったが、道に迷っている。
ユイが方向オンチなのはともかく、シャムは道なんて知らないのだから、当然である。
しかし
「ねぇ、シャム?次はどっちだと思う?」
知らないシャムにこんな風に尋ねていれば迷うのは当たり前であるが。
『ふざけているのか?逆だ逆。さすがに、一時間も同じところを回っているのはバカを通り越し
て、救いがないぞ?』
あまりにつかないので、眠りについていた黒神龍もさすがに一時間も寝て覚めたときに同じところにいれば忠告もしたくなるというものである。
「うっさいわよ。そこまでいうなら、道案内しなさいよ。あんたはわかるんでしょ?」
『ふん、今回だけだ』
不意にユイの体から黒い光が現れ、ふわふわと漂う。
『こいつについていくくらいなら出来るだろう』
「バカにしないで」
方向オンチだとしてもこれで迷ったら、既に頭の出来を疑うのだが流石にそんなことはなかった。
着々と魔王城へと近づいてく。
その道のりは険しく、大変なものだった...。
と、本来ならそうなるはずだった。
だが、道草を食わないように一直線に来たのがいいのか、思っていたよりも早くついてしまった。
もちろん、魔王どころかユイたちにとっても計算外のことであった。
「えぇと、ここよね。なんかあっさり着いちゃった?」
「そうですね。でも、いいことですぅ」
「そうね。さて、悪いけどさっさとやらせてもらおうかしら」
黒神龍であるクロの力を引き出し、髪の色が黒く染まってゆく。
「終焉の大災害」
闇の最大級魔法である。
やがて、空は黒く染まり、地は揺れる。轟く雷鳴と共に降り荒れる霰。
そして、空は割れ、見るものをドン底に落とすであろう巨大な隕石。その大きさは目測ではかろうとしてはかれるものではない。
すでに地は割れており、魔王城にもヒビがはいり始め、少しずつではあるが、傾きはじめており、隕石の衝撃もピリピリとしている。
とうとう、その隕石が魔王城に当たる。その余波は少し離れた町でも噂になるほどのもので、世の中の終わりだと逃げだす者もいたほどだ。
だが、そんな隕石も次の瞬間には欠片を一つ残すことなく、消滅した。
「どうやってここまで監視の目から逃れられたのかが気になるとこではあるけど、まぁ、よく来たね。急で大したものは用意できないけど歓迎するよ」




