二回戦
『魔族で我に勝てたら喜べ。我が生まれてこの方、魔族などに負けたことなど一度もないわ』
「じゃあ、今日は魔族に負ける記念日だね。喜ばないと」
互いに挑発するが、内心ロアは底知れぬ不安に襲われていた。
(この子、急に性格が変わったと思ったら、なにかを持っていそうなの。ストックも作ってないからあと一回分だけやし)
『来ないのか?様子見なんか考えているならやめておいた方が身のためだ。何故なら...我が動くと一瞬で終わるからだ』
「あはは、そこまで言われたら遠慮なくこちらからいかせてもらうけんね」
持ち前の速さであっという間に常人の目ではとらえられなくなる。
(そして、さっきのように)
背後からロアは蹴りを放ち、
「くいっ、とね」
しかし、今回は引っ張られることなく、黒神龍はびくともしない。
「なして?」
バランスを崩すことが出来ないため、そのまま蹴りをいれることになるが、黒神龍は足を弾き、拳をロアに入れる。
首が吹っ飛ぶ。冗談ではなく、文字通りに首が爆散した。
『ふむ、糸による小細工に、命のストックか。
いつまで機会を伺うつもりだ?」
「ばれてるなんてね。門外不出の上にばれた記憶なんて無かったんやけど」
『結構バレバレだがな。周りも能無しか、貴様だけ、いい気になってたんだろう?さて、逃げようなんか考えるなよ?細切れにするぞ』
「こうなったら...っ!」
シュッ。
ストン。
コロンッ。
こんな音が続いた。
『ふん、やはりこの体は動かし辛いな。まぁ、貴様ごときであればこんなものか』
「何が細切れよ。首チョッパやない。覚えときぃ
。うちは魔族の中で一応十番目と言われとる」
『それがどうした?』
「死にかけのうちからの忠告や」
首だけのロアの意識は消えた。
黒神龍とユイの意識も入れ替わる。
「クロ、少しえぐい殺し方するのね」
『そうでもなかろう、それで?』
「それでって?やることは変わらない。片っ端から殺していく」
宿に帰ると、変わらぬ寝顔のシャムがいる。
ユイはその顔を見ると今までのことが嘘のような笑顔を浮かべるのであった。
やっぱ、小説を書くのは大変だなと実感している最中ですね、はい。




