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召喚された勇者は復讐をする  作者: あめみや
第三章 魔族編
15/39

少女

長くなって疲れたので若干中途半端ですがここで切ります

結衣は...迷っていた。


何にか、それは簡単だ、道に。


『いきなり、迷子とは、なかなか面白いやつのところに封印されたな』


「うるさい。えぇと、なんて呼べばいいの?」


『なんとでも呼べばいい。そもそも、我は名前を持っていない』


「そうなの。可哀想にね、じゃあ、クロってよんでもいいよね。私は結衣って呼んで」


『むぅ。まぁ、いいだろう』


「迷子って言うけど、島を渡って魔王城に行けばいいんでしょ?」


そうして、また見当違いの方向へと歩いていく。


すると、燃えている村が見えた。火事だろうかと目を凝らすと、ゴブリンが棍棒を村人に向かって振り上げているところが見えた。


「助けなきゃ」


『...お人好しめ。貴様にも目的があるというのに』


「闇の杭」


かざした手から漆黒の杭が飛び出す。ゴブリンは直前に気づくが既に遅く、杭は眉間へと吸い込まれる。


ズバンッ。そんな音と共にゴブリンの頭は吹き飛ぶ。


「大丈夫ですか?」


「あぁぁ、あ、大丈夫だ。いや、俺はいいんだ。それより、あっちのほうを助けてくれ」


男は違う民家を指差す。


「分かりました」


悲鳴が聞こえる。その方向へと向かう。


家の角を曲がると百メートルは離れたところに少女とゴブリンがいて、少女は座り込んでいて逃げられそうにない。ゴブリンは既に棍棒を降り下ろしている。


闇の杭でも間に合うが、それだと棍棒が少女に当たるのは避けられない。結衣のなかが真っ白になる。


「たりゃあぁ」


誰かが棍棒ごとゴブリンに体当たりする。


結衣の意識が浮上する。


「今ならいける。闇の杭」


ゴブリンを倒し近くに行くと少女は閉じていた目を開ける。


「ひ、ひぃ」


少女は逃げ出してしまった。


「仕方ないの。私があの子を助けようとなんてしたから...」


さっき、ゴブリンから少女を守った少女、少しややこしいかも知れないが...。


その少女はそれだけ言うと、走り去って行ってしまった。


「な、何があったのかしら」


『さぁな?他のやつらは良いのか?』


結衣は次々とゴブリンを狩っていく。


「また、あの子...」


さっきの少女が燃えている民家に入って行くのを見た。


「あの子、何してるのよ」


慌てて、少女を追って民家に入る。


「んんー」


少女が逃げ遅れた男の人を救出しようとするが少女の体には男の体が大きすぎたのだろう。


男の体を持ち上げることができず、動けないで困っているようだ。


「大丈夫?私も手伝う」


肩を貸し、出口に行く。


「うぅ」


男は目をさました。


「た、たすけてくれた...!お、お前は忌み子のシャム。くそっ、よりによってなんでお前が...違う、お前が悪いんだ。お前がこの村にいるから、悪いんだ。この村からいなくなれよ、俺らのいないところで死んじまえよぉ」


男の希望に満ちた顔は一気にどん底の絶望に落とされた顔になる。


「ご、ごめんなさい。本当にごめんなさい」


シャムと呼ばれた少女は謝り、男はそのまま走り去ってしまった。


続いてシャムもうつむき、目に涙を浮かべながら走り去ってしまう。


「あっ、待って」


結衣の制止の声は届かず、シャムは角を曲がり、あっという間に見えなくなる。


『どいつもこいつも人というものは相変わらず分からぬものだ』


「ねぇ、クロ。あとどれくらいゴブリンはいる?」


『あと、数匹だな。この距離でも殺せなくはないが一匹、二匹は残すかも知れん』


「そう、じゃあ宜しく」


結衣の意識とクロの意識が替わる。


『さて、殺るか』


クロは結衣の髪を黒く染め上げ、能力を使用する。


『目標を確認。闇花火』


黒い球形のものが上空に打ち上がり、それはそこで、複数に別れ地上へと降り注ぐ。


『やはり、外したな。あとは貴様がやれ』


結衣の髪は白に戻り、意識ももとに戻る。


「あっちの方向だよね。あの子もあっちじゃなかった?急がないと」


角を曲がり、さらに角を曲がる。


少女はまたもゴブリンから村の人を守ろうとしている。


「闇の杭」


近づいていくと、案の定と言うべきか助けに入ったシャムを罵倒する声が聞こえる。


「お前は生きてちゃいけねぇんだ。...いや、俺が今殺してやる」


村の男はシャムの首に手をかけ、キリキリと締め付けていく。


「やめてください」


すかさず、結衣は間に入り二人を引き剥がす。


「ちぃ、シャム。後ででも構わねえ、絶対に殺してやるからな」


男が走り去ると同時にアナウンスが入る。

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