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召喚された勇者は復讐をする  作者: あめみや
第二章 復讐へと
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報告

「報告します。勇者が、勇者が生きていました」


結衣の攻撃からただ一人生き残った兵士、カイゼルは王に報告をする。


「な、なに?二人ともか?」


「いえ、女の勇者だけで今までよりとんでもない強さで我々を襲ってきました」


カイゼルは事の顛末を話した。


「あの宝具をもってしてもか。流石は勇者と言ったところか...」


少し考えた顔をすると


「直ぐに新たな勇者を呼べ。使うのは全ての龍の欠片だ」


「な、しかし」


「急げ、何が起こるかが想定できない」


「し、承知いたしました」


そこにいた兵士はカイゼルを含め、急いでそこを後にする。


「しかし、よろしいので?」


「構わん。嫌な予感がするのだ。特にこういうときのはバカにならんからな」


王の切り札は質問をするが、王は考えるそぶりもしない。切り札の方も分かっていたのか、特に態度は崩れない。


「本当に嫌な予感がするのだ。当たらないことを願うが...」


ーーーー


一方で、魔王の方にも調査の兵が戻ってきていた。


「報告します。跡地には勇者の姿はなく、あったのは人間の首と胴体が別れた死体だけでした」


結衣が離れた後に着いた兵は、そこの状況を詳しく話す。


「首狩りか...。あの技を使えるのなんてそういないと思うんだけどな」


「魔王さま、勇者が生きていたと考えてはどうでしょうか」


「あー、なるほどね。じゃあ、覚醒したか。面白くなってきた」


魔王は小さく笑う。まるで、新しいオモチャをもらったときの子供のように。


「王は知っているの?」


「さぁ、わかりません。しかし、全滅したにしろ、伝令が伝わったにしろ、分かるのは時間の問題かと」


「そう。確か、勇者は黒髪だったよね。黒髪に注意することと各々戦う準備は欠かさないように言っておいてね」


兵は出ていく。


「私がさきに見つけて始末しておきましょうか?」


「それもいいんだけどね。君もまだ大事な仕事が残っているでしょ?」


「しかし...」


「いいよ。まずはこっちの兵力もあげないといけないし、なにも起こらないかもしれない。実は勇者は跡形もなく吹き飛び、王の所の兵士は不幸にも魔物に殺された。なんて事も考えられるし、それに、勇者の居場所を特定するすべなんてないよ?」


「それもそうですね」


「うんうん、なにも起こらないのが一番だとは思うよ?」


特にお付きの魔族は本当にそう思うのだった。

切り札とお付きの魔族の名前が思い付かないのは誤差

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