表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/29

29.カーチャンは続くよどこまでも

 あの青鬼襲撃事件から半年が過ぎた。

 あの後青鬼は全員元にもどり、里へと戻って行った。

 以前は赤鬼と青鬼で仲が悪かったようだけど、これからは交流が深まっていくらしい。

 仲良くするっていいことだよね。


 僕はと言えば、母さんをこの世界に留めるのに全魔力を注いでいるため、それ以外は普通の人間と同じになってしまった。

 簡単な術すら使えない。

 でも、元の世界にいた時と違って健康な体がある。

 それだけで満足だ。


 母さんも術が使えなくなっているが、本人は何も気にしていないようだ。

 いろんな家庭を回って料理を教えたり、カーチャン学校を設立して子供たちと仲良くやっている。

 幸せすぎて怖いわあ。が口癖となっているので、きっと幸せなんだろう。

 もっともっと幸せになってほしい。

 ちなみに、僕も勉強を教える手伝いをしている。

 ほんとに学校の先生になっちゃおうかなあ。


 わたがしとうめぼしとさくらは、この里にのんびりと住みついている。

 自由にしていいと言ったら、僕と一緒にいたいと言ってくれた。

 だから、召喚できなくなっても何ら変化なしだ。

 わたがしとうめぼしは弱くなったけど、さくらが術を教えているので、そのうち前より強くなるかもしれない。


 そして沙鬼ちゃんとは……あのあとすぐに結婚式を挙げた。

 人間と鬼の結婚は初らしいけど、だれもが祝福してくれた。

 青鬼の里からは涯炎さんが来て祝ってくれた。

 おかげで幸せいっぱいだ。

 さらにもう一人……膨らんだ沙鬼ちゃんのおなかの中に僕たちの子供がいる。


「あ、そこに石があるよ。気をつけて歩いてね」

「大丈夫。タカシ君ってば心配しすぎだよ」

「だって沙鬼ちゃんとおなかの子になにかあったら……」

「それだけ心配してくれてたら何も起きないよ」


 沙鬼ちゃんの体調はすこぶるいいらしい。

 だから散歩した方がいいってことで、毎日歩いてるんだけど……。

 本当に大丈夫なのか不安で仕方がない。

 健康な子であってほしいんだ。


「僕ちゃんとお父さんになれるかなあ」

「大丈夫だよ。親に愛された子はね、自分の子にも愛情を注げるんだって。タカシ君にはあんなに素敵なお母様がいるんだから」

「そうだね……。がんばっていいお父さんになるよ」

「うん、わたしも一緒に頑張るね」


 母さんは初孫を自分の手で最初に取り上げると張り切っている。

 何気に産婆さん経験もあるようだ。

 僕としても母さんにしてもらう方がありがたい。


「ねえタカシ君、この子が大きくなったらタカシ君の故郷に行ってみたいな」

「えっとそれは……」

「だめなの?」


 どうしようかな……夫婦に隠し事は無しだよね。

 でも違う世界から来たと言って信じてくれるんだろうか?

 そういえば……母さんのおかしな話を沙鬼ちゃんは全部信じてくれていた。

 だからきっとこの話も信じてくれるだろう。


「沙鬼ちゃん、ちょっと長くなるけど僕の話を聞いてくれるかな?」

「もちろんだよ。じかんはたっぷりあるし……タカシ君の話ならずっと聞いていたいもの」

「じゃあ……。昔々……こことは違う世界に体の弱い男の子がいてね……」

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ