25話
さて、ここで問題です。
俺の目の前に立っているこの人は誰でしょう。
外見は16~17ほど、髪型は短め、ボーイッシュっていった方が良いのかな?
体型は、その、スレンダーですね、引っ込む所が引っ込んで、そうじゃない所も引っ込んでる感じです。
女性にしては背が高いけども、男性にしたら小さい方か。
顔立ちは綺麗、というかやや凛々しく、男なのか女なのか分からない危ういほど美しいお顔です。
ていうか、多分性別無い。
でも裸は直視できない。肌超綺麗だし、めっちゃきめ細かい。そんなん見れないよ! だって、男の子だもん!
嘘です。ガン見しました。
仕方がないのでDP使って着替え一式を上げました。
女の子っぽい服は動きづらいと不評だったので、服装これまたボーイッシュ。
もうどっかの劇団の人みたい。
だいたい今まで微動だにしていなかったのに、動きやすいも何もあるもんかね。
「それで、どうしてこのようなDPの無駄遣いをしたのですか?」
「いえ、その、どうしても言われましても、そうしたかった、としか……」
「DPはダンジョンの為に使うもの。あまり私欲に使われては困ります」
「はい……、はい……、骨身に沁みてございます」
「私にそのような言い方はお止めください。私はただのダンジョンコアです」
「いやいや、一緒にダンジョンを盛り上げてくパートナーじゃない」
「そう思って下さるなら相談もせずに5000ポイントも使わないで下さい」
「はい……、はい……、この度は誠に申し訳なく……」
はい正解はコアさんでした!
以前5000ポイントでダンジョンコアの擬人化ができるって聞いてたから、つい発作的にやっちゃいました。てへぺろ。
そしたら思ったよりコアさんには不評。
というよりも怒ってしまった。
こんなこと5000ポイントも使うなら、やりかけの洞窟内の通路を完成させろ、とかダンジョンの領域を広げるべきだった、とか。かれこれ二時間は怒られております。
残りのDPは17450ポイント。
まだまだ余ってるから良いと思うんだけどなぁ。
100ポイント多く減っているのは、コアさんの着替えの分です。
「いいですか、擬人化するということは、この体を維持する為に様々な不都合が生じるということです。この体は現状普通の人間と変わりません、怪我もすればお腹も空きます。疲労や眠気も感じるでしょう。そのことがどういうことか分かりますか? より多くのDPが無駄に消費されるということです。はっきり言って、まだオープンもしていないダンジョンが手を出すものではありません。最初に聞かれたときに教えなかった私にも落ち度がありますが、常識的に考えて今やるべき所はそこではないということを分かって頂きたかったです」
うーむ、まったく機嫌が直らないな……。
凄まじい勢いで喋っている。
正直なところ、擬人化してはしゃいでいるようにしか見えないです。
だが、そろそろこちらも言わせて貰いますよ。
「コアさん、俺はもともと人間だ。コアさんの言ったデメリットはだいたい持ってる」
「ですから、そこをフォローする為に私があったのです」
「もっかい言うぞ。俺は人間なんだ、だから心ってもんがある。きっとコアさんや配下のモンスターたちにもあると思う。その心が言うんだ。寂しい、俺一人じゃ辛いって」
「……以前の私のままでは、不十分だったのですか?」
「俺は馬鹿だから、見掛けってもんにすぐ騙される。コアさんはどんな形でもコアさんだ。分かっていても、同じ人としての温もりを求めちまうんだよ」
「見掛けが大事だったのですか?」
「身も蓋もない言い方をすれば、そうなる」
でもそんなもんだと思うんだよね。
感情移入できないって言うのか。
相手が人の形であるかそうじゃないかって大事だと思う。
「私を侍らしたいということですか?」
「そこまで考えちゃいない。ただ、パートナーがちゃんと肉をもって生きてるって実感出来る相手なら、張り合いも出てくるって話だよ」
「……私には、よく分かりません」
「それで良いさ。俺が我が儘で勝手なだけだ。変なダンジョンマスターでごめんな」
「それはもうよく分かりました」
いやにはっきりと元気よく断言してくれるね。
まぁいいけど。
コアさんも納得というか、この話題は今は続けなくていいと思ってくれたみたいだから、早速次の仕事といこうか。
「コアさん、進化可能モンスターリスト、もう出来てる?」
「はい、こちらになります」
ドラゴンの死骸に向かいながら、映像データを受けとる。
一緒に頑張っていこうぜ、相棒。




