13話
結局、召喚するモンスターは以下のように決まりました。
リトルフィッシュ ×100
シーグラス ×200
クラム ×100
ミニキャンサー ×10
計100ポイント
キャンサー ×30
ブルーフィッシュ ×30
計600ポイント
オクトパス ×5
計300ポイント
合計1000ポイント
残り 540ポイント
決定した瞬間に洞窟内に流れ込んでいた海が緑色に変化した。
見てくださいこれ全部海藻ですよ!
うわぁ気持ち悪い。
その隙間に小魚や小蟹が入り込み身を隠していく。
それよりも数倍は大きい魚と蟹は入り口方面に泳いでいき、タコがそれに続いた。
モンスターらしいモンスターがいないけど、まぁ大丈夫だろう。
ぶっちゃけオクトパス以外は餌要員だ。
今後強いモンスター召喚する時、食料事情が潤沢であるように、今のうちに沢山増えてもらいたい。
ただ、それだけだと食物連鎖が回っていかず、増えすぎて困ることに成るかもしれないので、適当な間引き役としてオクトパスを入れました。
いきなり捕食されるとあっという間に食い尽くされてしまうだろうから、設定を弄って一定数をオーバーしたらその分だけ食うようにしているけど。
最悪、俺の『大海魔法』で空中に海水を浮かせて簡易水槽を作ったって良いから、そこら辺は結構適当だ。
残りの540ポイントは貯金です。
何があるか分からないしね。
外敵の侵入を拒む設定は解除して貰いました。
ただの磯みたいな我がダンジョンですが、海藻まで含めれば400を超える軍勢が揃っているのです。
もはやどんな敵も恐れるに足りず! フーワハハハハア!
というのは嘘で、ダンジョンに獲物を引き込みたいからですよ、えぇ。
ダンジョンとしてオープンしているわけではないけども、だからといってダンジョンが侵入者を喰っちゃいかんという法は無いでしょう。
こんな人がまったく来られないようなダンジョンにオープンも何もあったもんじゃないけど。
こちらには小魚や海藻を始めとした潤沢な食料が揃っているのだから、周囲の野良モンスターからしたら良い餌場となる筈だ。
しかもダンジョン産なので魔石というおまけまで付いてくる。
これは襲うっきゃない!
そしてホイホイ寄ってきたモンスターを『大海魔法』で仕留め、コアさんご飯とする。
コアさんのお腹が膨れ、俺にDPが入り、余った皮や骨のクズは小魚達の餌になる。
まったく無駄がない。誰も損しなーい。
なんという素敵なプラン!
誰こんな非の打ち所の無い計画考えた人! 素敵! 抱いて!
はい、馬鹿やってないで他に出来ることを探しますよ。
だから無視は止めて下さいコアさん。寂しくなってしまいます。
“ダンジョンモンスターを餌にして侵入者を誘き寄せるという考えはいいと思います。通常、ダンジョンとしてオープンする前にそのようなことをすれば実力の伴わない内から強者に発見される恐れがありますが、此処ではその危険も少ないでしょう”
「少ない、ということはあり得る可能性はゼロじゃないんだ?」
“はい。ダンジョンとは神が知性ある生き物に科す試練という側面もあるので、その制覇は大変な名誉となります。例え名の知られていない弱小ダンジョンであろうとも、いえ、それだからこそ侵略したがる者は多いでしょう。わざわざ生まれたてのダンジョンを探す者も居るようです”
知性ある生き物、ね。
人間と断言しないということは、この世界には人間以外の知性ある生き物が居るのだろう。
それも、しっかり一つの勢力となって。
ケモミミには是非ともお会いしたいもんだ。
“ダンジョンが新しくオープンしたことは世界中に知らされますので、残り359日で頑張って強化していきましょう”
ねぇ、それ初めて聞いたんだけど……。