11話
という訳で早速洞窟から伸びるように範囲型ダンジョンを拡げて貰いました。
分かりやすく図解すると『⊥』みたいな感じ。
実際はもうちょっと複雑だけどね。ちなみに上がコアルーム。下の横棒部分が、海蝕洞窟から出た付近の海という感じです。
これで海蝕洞窟に流れ込む部分とその周囲の海のみがダンジョンとなった訳だ。
使用したDPは節約して2000ポイントほど。
範囲はかなり狭いが、その分深さを確保したダンジョンとなっている。
ちょっと離れたらもう普通の海なんだけどね。
これにはコアさんはいたくご不満だった様子。
深さよりも広さを取りたかったんだってさ。
広い方がDPが集まるって言ってたけど、本当にそう思うかい?
逆にDPが集めづらいと思うよ。
そういえば、勝手に海をダンジョン化してしまった訳なんだけど、もともとそこにいた生き物や魔物に無断でやっちゃって良かったんだろうか?
そこん所どうなんでしょ、コアさん。
“問題ありません。余程強力で知恵のあるモンスターの縄張りを侵食したならばともかく、現時点でダンジョン化した範囲にそのような存在は確認出来ませんでした”
まぁ範囲狭いしな。大丈夫か。ありがとうコアさん。
どうして広さよりも深さを取ったかと言うと、召喚できるモンスターの幅を増やすためです。
ダンジョン化して残りのDPは1540ポイント。
大したのは喚べないけども、それでも選択肢は多い方がいい。
うーん、だけど、もう今日はいいかな……。
モンスターとか、明日でも構わない?
というか、今日はもう疲れた。だいぶ気持ちがぐったりしている。
気が付いたら漂流したかのようにこんな洞窟で倒れていて、いきなり異世界に連れてこられたとか告げられて、外出たと思ったら巨大なハサミムシに襲われぶっつけ本番の魔法で撃退部屋びしょびしょ。その後ほぼ休まないままダンジョンを拡げる作業に入り、モンスターを召喚しようしている。
これってかなりハードじゃない?
“本日はもうお休みになられるのですね? ダンジョンはオープンするまで外敵の侵入を拒む設定に変更しておきましたので、ごゆっくりお休み下さい”
本当にコアさんまじ親切。まじ有能。グッジョブ。
「それじゃあ起きたら続きやるから、あと宜しくね。やることが無くて暇だったら、1500DPまでで喚べる海棲モンスターのリストアップしておいて。疲れてるならコアさんも寝ていいからね。じゃ、おやすみ」
“ダンジョンコアに睡眠は必要性ありませんので。おやすみなさい”
コアさん、寝ることが出来ないのか。それはそれで辛いだろうな。
いや、最初からそういう本能が無ければ辛いも何も無いのかね。
せっかく一緒にダンジョン作っていくんだから、出来れば色んな楽しみを共有したいんだけど……。
そんなことを考えながら、おれは眠りに落ちていった。