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宮廷物語  作者: 卯月弥生
第一章 蓮実鉄次
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どこかへ帰りたい

 帰りたい……

 どこへ?

 どこかへ…ここではない、どこかへ。

 明日が、やってくる前に…どこか遠くへ。遠くへ。


 あぁ明日がくる。

 このまま夜が永遠に続けばいいのに。


 そんなことを思いながら、オレ、蓮実鉄次は布団にくるまり、まぶたを閉じた。

 高校を卒業するまでには、あと、1年半。

 その先も、大学、会社と、永遠にどこかに属することになる…

 選択しようがないように、いっそのこと世界が終わってくれればいいのに…

 壮大に現実逃避をしてみたものの、オレは憂鬱をいっそう深めた。

 ため息をつき、枕もとに置いている電気スタンドのスイッチを入れると、ぼんやりと天井が、光に浮かび上がった。

 その刹那。

 始まりは携帯から鳴り響く警告音だった。

 カタカタと扉という扉が音をたて、天井から釣り下がった照明が今まで見たことのないくらいに右へ、左へとゆれている。オレは動くことも逃げることも出来ずに、ゆらゆらと変貌する世界を眺めていた。その間も携帯からの警告音は止むことはなく、不吉な予兆を告げるがごとくに鳴り響いていた。

 これはまずい。

 ゆれはおさまることなく、オレの平衡感覚がどんどん麻痺してゆく。

 くる。

 そう思った瞬間だった。


 床がなくなった。

 オレはそう感じたが、実際は体が投げだされ床に尻餅をついていた。

 地鳴りというものを聞いた気がする。


 点けたはずの電気スタンドは、コンセントが抜けたのか、明かりは消え、部屋は暗闇に沈んでいた。

 部屋を出ようと、出口と思われる方向を目指して四つん這いのまま、ゆれに体をあずけながら進む。と、頭上から凄まじい力が頭部や首に加えられ、オレはさらなる闇に包まれ、目の前にチカチカと光が飛び散った。

 あぁ頭を打つと、本当に星って見えるんだな。

 オレはそんなことを思った……


 ……いつの間にか意識を失っていたらしい。肩をゆすられオレは意識を取り戻した。

 すでにゆれはおさまっているらしいが、気配がおかしい…

 肩をゆすられるまでに、どのくらいの時間が経過したのだろうか。

痛む頭を押さえながらオレは身を起こしてみることにした。


 これは……夢なのか?

 オレを取り囲んでいるのは、見知らぬ顔、顔、顔。人々は言葉を発しているようだが、意味がつかめない。なぜなら。

 日本語じゃないからだ…


前回ご登録いただきました方、誠にありがとうございます。

そして読んで下さいました皆様、ありがとうございます。

少しでも楽しんでいただけましたら、心より嬉しいです。

次回、また文章を通してですが、お会い出来ましたら、

この上ない幸せです。

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