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ティアナの反撃

玉座の間に、血が一滴、落ちた。


ティアナの――肋腹から。


鎧の継ぎ目を正確に捉えた斬撃が、深く走っていた。


床に触れた血は、音もなく黒く滲み、すぐに蒸発する。


ティアナの呼吸が、一瞬だけ乱れる。


「……っ」


身体を捻った拍子に、内側に痛みが走ったようだった。


致命ではない。

だが――深い。


魔力の流れが、わずかに遅れる。


王は、その遅れを見逃さない。


踏み込み。

剣が、一直線に迫る。


だが――


刃が届く寸前、黒い魔力が爆ぜた。


床、壁、空間に同時展開される複数の術式。

火、氷、雷、風。

属性の境界が溶け合い、暴力的な密度で放たれる。


王は即座に跳ぶ。


避けた先へ――

さらに魔術。


雷が走り、床が隆起し、空気が刃となる。


「……っ!」


王は剣で弾き、受け、斬り伏せる。

だが完全には捌ききれず、爆風に押されて玉座の段差へ叩きつけられた。


瓦礫が舞う。


ティアナは肋腹を押さえながら魔術で止血し、深く息を吸う。


「……危なかったわ」


声は、安定していた。


王は立ち上がる。

呼吸が、確実に重い。


次の瞬間、影が床を滑る。


だが、王が気づいた時には、すでに背後を取られた。


「――これ以上はやられないわ。」


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