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21話 解体員のお勉強会


 レティリア達ギルド職の解体員は、月に1回勉強会を実質する。

 ギルバートをはじめ、レティリアやウィリアム達 特Sクラスの解体員を先生に様々な魔物の筋肉や組織、斬り方などを詳しく教えるのだ。

 これを繰り返し知識と技術を身に着け毎日毎日解体をすることでスキルアップする。

 各レベルに分かれて実施するのだが、1番多いC級とB級により多く先生は振り分けられていて、受講者は自分の等級に合わせた場所に行くが、苦手な下の級の魔物の場合はわざとそちらに行く事も可能。

 ただし、自分の等級以上の場所には参加禁止。

 まずは自分の等級をクリアしてからである。

 特S級については、別日に勉強会があるのだが、これはギルバートが自ら特S級を狩ってきて開催される。


 

 今回レティリアが担当するのは、まだ入ったばかりの新人解体員である。

 新卒、部署異動と理由は様々だが全て等級一番下からの開始である。

 学校時代から解体に行きたいと勉強していた人と、移動できた人との技術面は勿論違うが、レティリアから見たら全員初心者であった。


 実は、この新人教育は1番嫌がれる場所であり、レティリアがよく回される場所でもある。

 両側の作業台にはギルバートとウィリアムが脇を固めて様子を見つつ手助けをする。 なぜなら 。


「…………いや、無理だろこんなの」


「クソ……なんで解体部門なんだよ……」


 新人に紛れて他部署から異動してきた職員の不平不満があるからだ。

 新卒と混ざらなくてはいけない事も、不満のある移動だということも、女に教えてもらう事も全てが気に入らない、異動してきた職員の鼻っ柱を折る必要がある。

 特S級で1番年若いレティリアが、その役割にうってつけなのだった。


「では、まず器具の説明からしまーす」


 レティリアは、毎回最初は真剣に聞かない職員が多いのは分かっていた。

 総勢15人の新人研修。全員レティリアを見ているだけ今回は僥倖だ。

 

「解体班初日に器具のプリントを渡しましたが、内容の確認は出来てると仮定して話を進めます」


「はぁ? 職務怠慢じゃないですかぁー? 一から教えるのが勉強会だろ?」

 

 椅子の背もたれに寄りかかり言う男性に鋭い目を向ける。

 異動組のうちの一人で現在29歳。

 すぐ隣にいる2年目の解体員は、あ……とレティリアを見る。

 去年1年レティリアに扱かれた人達はビクリと身体を震わせた。


「お、今年も始まるなぁ」


 がっはっは! と笑うギルバートに、苦笑する解体員。

 新卒はなんの事だとキョロキョロしていると、仕事にうるさいレティリアの鬼授業が開始したのだった。


「………………貴方は異動して2週間、もう現場入ってるのになんで覚えてないの? どの部位をどの器具で捌き切り裂くかわからないと出来ないんだけど? 必ず指導してる職員が一から教えて毎回答えてから切ってるはずだよね。なのになんで覚えてないの? 今まで何してたわけ?」


「なっ……」


「異動が嫌だ? 女に教わるのが嫌だ? 仕事しに来てんでしょ? 金貰ってんでしょ? 甘ったれないで! ここはダラダラしてお金稼げる場所じゃないから! 他の部署みたいに甘くないの! 分かったら返事!」


「………………」


「嫌なら直ぐに出ていって。中途半端はいらない、邪魔だから」


 カッ! と逆上した男が立ち上がりレティリアに殴りかかってきた。

 それを交わして軽々腕をひねりあげるレティリアは足をかけて転倒させた。

 身体強化をして片足を乗せて力を入れると、グエッ……と声が聞こえる。

 


「…………あのよぉ、特Sのレティリアは身体強化の達人だし、魔物の生態系を熟知した先生なんだわ。お前ら新人に1番いい先生なわけよ。見た目で判断してたらあっという間に足元すくわれっからなぁ」


 ギルバートがのんびり言うと、異動してきた職員は信じられないとレティリアを見る。

 話は聞いていたが、解体班の長にそこまで言われる人なのかと。


 レティリアは足を下ろして男を見る。


「どうするの、受けるの? それとも出てく?」


「……くそっ! 受けるよ!!」


 ガタン! と音を立てて座ると、隣に立つレティリア。


「あなた、上司の前でもそんな座り方するの」


 先程と同じようにダラリと座る男に言うと、渋々座り直した。


「…………まず、大事な事から話す。君たち分かってないみたいだし」


 前に来て話し出すレティリアを全員が見た。

 ギルバートと、ウィリアムが思わず吹き出しそうな顔をしているのを新人達は知らない。


 

 

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