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第58話 不穏な特別講義

「おりぁぁぁぁ!!」


音速一閃(ソニックライド)


俺達は不動教授の元で問題なく魔族を討伐している。

しかし、説明の時にあったあのピリついた空気がどうしても気になった。

大学で聞いたあの会話が本当だとするならば、板川教授が言っていた目標というのは、その準階級者のことだろう。しかし、


「バトラー野良が多すぎないか?」


勝手について来たバトラーに俺はそう言った。ちなみにバトラーは魔族討伐には参加していない。不動教授同様、みんなの監督をしている。


「そうだな…流石に多すぎる。野良は俺達魔族の一割にも満たない数のはずなんだがな。とても偶然とは思えない」


大学側が学生達に自信を持たせるためにといった接待なのではという線も考えたが、これだけの数、広範囲に配置することは不可能だ。何より、知性を持たない生物を制御するのは至難の業だ。


「親玉がどこかに潜んでるかもしれない。バトラー、注意しててほしい」


「たりめーだろ」


洸平達から少し遠い一軒家の屋根の上に、その親玉は息を潜めていた。

…おかしい、予想よりも人間を殺せていない。そろそろ10人は殺していてもおかしくないんだけどな。


「面白い滅術(めじゅつ)だねぇ、私も近くに来るまで気づかなかったよ。単純なステルス能力なら右に出る者はいないんじゃないのぉ?」


い、いつの間に僕の隣に!?気配が全く感じ取れなかった。黒いマントに黒い服、黒いフードを被った同族が立っていた。


「だ、誰だお前は…?」


「"お前"ねぇ…まぁ私は気にしないからいいけどねぇ。えっと名前だったか?私の名前はグオム。君の名前はなんて言うんだい?」


「…ステラ。一応準階級者の一人」


「そうかい、ステラ君、お前さん狩るタイミングを間違えたようだねぇ。それに絶対者もいそうだ。撤退する方がいいと思うよぉ?」


こいつ…思考が全く読めない。フードで顔がほとんど隠れているせいかもしれないけど、一体何を企んでいるんだ?


「そう…だけど、今月税がやばくて…仕方なく…」


「税ねぇ、それは仕方ないか。それなら手伝ってやろうか?この…」


グオムと名乗る同族が何かを言おうとした時、遠くから人間の雄叫びのような声が聞こえて来た。


「…と、人間が来たねぇ。じゃあ私はこれでお暇するよ。ま、お前さんのステルス能力なら、並の人間には見つからないだろうしねぇ。健闘を祈る」


そう言って謎の魔族グオムは姿を消した。


ステラとグオムが会話をする5分前、バトラーが突然


「洸平、この近くに何かがいるぞ。ただ姿が見えねぇ。おそらく擬態か何かしてるんだろう」


突然バトラーがそう言った。その言われた方向に向かいたいところだが、今は講義の一環であり、単独行動はできない。

不動教授の目を欺いて抜け出すか?いやできるわけがない、そんなことをしたら本当にただじゃ済まないだろう。


「うぉぉぉぉぉぉ!待てぇぇぇぇ!」


突然雄叫びと共に剛が走り出した。その方向はバトラーが言っていた方向だ。だが、当然不動教授の目に留まった。

しかし、追いかけることはなかったが


「櫛塚、今走っていったやつを連れ戻して来い」


俺はすぐに返事をして、剛が走っていった方向へ向かった。

数十メートル走ったところでようやく追いついた。

すると、剛がにっこりしながら


「洸平、ここに来たかったんだろ?何があんのかは分かんねぇけど」


「…え?そんなこと言ったっけ?」


「言ってねえよ。でも、お前顔に出てたぞ?」


「顔に?表情に出てた?」


「あぁ、洸平って結構分かりやすいぞ?気づいてなかったのかよぉ!」


肘で俺の脇腹をツンツンしながら剛はそう言った。

もしかして、俺の機嫌が悪い時(原因バトラー)にみんなが俺と距離を取っていたのは、顔に出ていたからだろうか?って、今はそんなことはどうでもいい。


「剛、バトラーによると、この近くに準階級者が隠れている…かもしれない」


「そうなのか?気配も何も感じねぇけど、何かかくれんぼみたいで面白いなぁ!よっしゃぁ!見つけたるでぇ!」


…うわ〜、来ちゃったよ。とりあえず()()()()を出しておこう。


「滅術…"人形の悪夢(ドールナイトメア)"」


人間二人を僕のおもちゃで取り囲んだ。こいつら年齢はそこまでない、きっとただ元気がいいだけの子どもだろう。

…と思っていた。それは大きな間違いだった。一瞬にして、僕の人形が消し飛んだ。

あの数を一瞬で?まあいいか、数打ちゃ当たる。まだストックは残っている。何より滅術、影に潜む(シャドー)のおかげで彼らは僕の姿を見ることはできない。

 洸平やステラがいる街にある山の頂上にグオムは立っていた。


「さーてと高みの見物でもいこうかねぇ…って連絡?今更なんだよ?」


魔族の世界には携帯電話はないため、カラスが手紙を送り届けている。たった今カラスに渡された手紙を見て、グオムはほくそ笑んだ。


「ふふふ、私が必要だと?仕方ないなぁ、久々に行ってやるか。この()()()N()O().()1()の僕がね」







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