第49話 キッカケ
短め。
最近投稿遅くてすみません。
「何でも聞く、いや、俺はそこまで聞いていませんよ」
「確かに、今はな。私は今のことを言っているのではなく、今までのことを言っているんだ。お前は何かにつまずいた時、すぐ私達教員に質問に来ていた。それを100%悪いと言うつもりはないが、それは自分で思考することを放棄していると言っても過言ではない」
分からないことは先生や大人にすぐに聞きなさい、小さい頃そのように教わった。俺はそうやって生きてきた。師匠の元に来た後もそうやって修行してきた。
こんなことを言われたのは初めてであり、不動教授の言葉は俺の今までの生き方を否定するものだった。
「失礼を承知で話しますが、俺のそのすぐに聞く行動の何が悪いと言うんですか?分からないことを分からないままにする方がよくないのではないのですか?」
「櫛塚、さっきも言ったがお前は自分で考えることを放棄しているだけだ。にゃん丸を使った課題、るかの話によると、お前は有望株だが、一番危険だと言っていたぞ。一番早く死ぬかもしれないと」
一番早く死ぬ?それを防ぐために修行をして今もこうやって学んでいる。それを導くのが今日の役割なのではないのか。俺はやはり理解ができなかった。
それを読み取ったのか、不動教授は続けて言った
「櫛塚は私が見てきたところ、相手の行動を見てから攻めに入る動きをしたいた。だが、考えたことはないか?もしその攻撃が触れるだけで即死になるものだったら…と。攻撃を避けるという行為は戦闘において、攻撃よりも重要な役割を担う。敵の動きを見ることも大事だが、そのために攻撃に当たらない必要がある、違うか?」
言っていることはよく分かる。でも、
「それが、この猫チャレンジに何の関係があると言うんですか?」
すると、不動教授は少し口調を強めて、
「じゃあお前は、分からなかったら行動しないのか?
滅魔隊は医療機関ではない。医療従事者は、原因不明の病にかかった患者を必死に救おうとする。滅魔隊も一緒だ。自衛手段を持たない一般人を守るために、どんな手を使うか分からない魔族と向き合っている。滅魔隊も形は違えど、人の命を扱う組織、職業だ。分からなければやらないみたいな姿勢は、いつか最悪なことを引き起こすキッカケになる」
不動教授が一度息をつくと、少し優しい口調で
「少し、いやかなり話が逸れてしまったが、とにかく避け続ける動きが大事だ。櫛塚で言えば『魔法掴み』を使わないということだ。あれは最終手段だと考えるべきだ…もうこんな時間か、櫛塚、今日はもう休むといい。休める時にしっかり休め」
そう言うと、不動教授は領域を解除し、にゃん丸を抱き上げてこの場を後にした。
正直、不動教授の言葉を完全に受け止めたわけではないが、何か自身の奥深くに刺さるものがあった。
俺は指示の通り、今日はすぐ部屋に戻り体を休めた。
明日もまた早い。
―魔界 王城―
俺は現階級者NO.4だ。また招集がかかったため王城に来ている。方針者も既に集まっていた。
しかし、そこには予想外の奴がいた。
「…NO.1、お前がここに来るのは何年振りだろうか、どういう風の吹き回しだ?」
階級者NO.1、魔界ですら姿を殆ど見なず、魔族の中で最も謎の存在とまだ言われている。そのくせにどこか禍々しく、不気味なオーラを常に放っている。
こちらに気づいたNO.1はその不気味な笑みを浮かべながら
「久しぶりだねぇ、NO.4、会うのは33年振りかな?ここに来た理由、何となくだよ、とかに深い理由はねぇ、ただの暇つぶしだ。あっそうそう、最近面白い人間が出てきたらしいよ、名前は確か…」
聞いてもないのにペラペラとしゃべり続けるコイツを俺は黙って聞いていた。一応上の番号だからだ。
「櫛塚洸平、何とも『魔導士泣かせの悪夢』と言われた荒垣優菜の弟子らしいよ」




