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第3話 面接Ⅱ

板川教授目線多め

 今まで、あのゴーレムを破壊した受験生を見たことがない。

俺が()()()()()()()()()()()やつを、あのガキにできるわけがない。

痛い目を遭わせ、化けの皮を隅から隅まで剥がしてやる。


「えーと、櫛塚君は板川教授に一撃でも入れられたら合格ってことだけど…本当にいいのかい?不合格になるかもしれないよ?」


「はい。それで教授が満足していただけるのなら」


「はぁ、では両者構え」


二人同時に戦闘態勢へ入った。


「始め」


合図と同時に仕掛けたのは教授だった。


「お前にはこれで十分だ!大火(ギガファイア)!」


「あんた!それはいくらなんでもやりすぎよ!」


「知るか!卑怯者にはこれぐでも優しい方だ。食らえ!」


強力な魔法が洸平を襲い、全身が炎で覆われた。

ふん、これを食らって無傷ではいられまい。

だが俺も鬼ではない、ここらへんで水魔法でも打ち込み、助けてやるか。

そう考え水魔法を放とうとしたその時、ありえない光景を目の当たりにした。


「熱ぃ…やっぱ火属性は慣れないなぁ」


そこには、無傷のガキが立っていた。

なぜアレを受けて平然としている?防御魔法を使った形跡はない。

ふと偉そうに座ってるほかの教授達(やろうども)に視線を送ると、俺と同じように驚いた様子だった。


「お前、何をした?またズルか?」


「何と言われましても、基本技の『魔法掴み』です」


「まだしらを切るつもりか、『魔法掴み』なんて技、聞いたこともねえぞ」


魔法を掴む?マンガじゃあるまいし、そんなことは不可能に決まっている。


「あの…いくら面接とはいえ、手を抜く必要はありませんので、全力で来てください」


「…あ?」


あいつ今何つった?「全力で来い」?受験者ごときが俺に指図するだと?やはりこいつは、櫛塚洸平は!


「そんなに言うならお望み通り全力で来てやるよ!地獄火(ヘルファイア)!」


この魔法は小さな街程度なら簡単に火の海にできるほどの威力を誇る。

そしてこの魔法はあのガキに一直線に向かった。


「流石にやりすぎたか?まあ、この部屋には結界は貼ってあるし、癒術師の女もいるから死にはしないだろう。さて、あいつの負け顔でも見てみるか」


俺は勝ちを確信し、ガキの元へ向かった。

しかし、あるはずの遺体がそこにはなかった。

しくじったと思った、受験者を殺したことが上にバレれば、俺の立場が危うくなる。


「おいっ」


そう声を発した瞬間、右頬に大きな衝撃が走った。

そして、顔の左側がと地面が触れ合った。

上に視線を送ると、こちらを見下ろす櫛塚(ガキ)が立っていた。


「流石にあの魔法を無傷で受けきることはできませんでした。流石はこの学校の教授ですね。お手合わせありがとうございました」


負けた?受験生に?あんなやつに?


「これは、勝負ありだね。櫛塚君、今度こそ退室していいよ。お疲れ様でした」


嘘だ、これは何かの間違いだ。


「あ、ありがとうございました。失礼しました」


俺は信じない!


「あと板川、お前はもうしゃべるな」


「!!、クソっ!」


これは悪夢だ、そうに違いない。

なぜなら俺は選ばれし『絶対者』だからな。



―全面接終了後―

「ねえ、()()ってあいつの」


「そうだろうねぇ、4年前から音信不通になったけど、まさかかわいい教え子がいたなんてね、意外だったよ」


「今どこにいるのかしら〜、またお話ししたいわ〜」


「無駄話をするくらいなら業務に集中しろ。話は全てが終わってからにしろ。」


「「「はーい」」」









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