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第2話 面接Ⅰ

「失礼します」


入室して真っ先に感じたのは、異様な空気であった。師匠も強い人特有のオーラというものがにじみ出ていたが、この空間はそんな比ではなかった。特に中央に座っている2人、彼らからは師匠以上のオーラが感じ取れた。

俺は一度大きく深呼吸をして、椅子に…あれ?椅子がない。立っとけってことかな?


「それじゃ、今から面接を始めるね。椅子は用意していないから、その場で結構だよ。それじゃ名前と年齢を聞かせてください」


「櫛塚浩平。18歳です」


「はい。この面接は知っていると思うけど、君の実力を図るものだよ。右を見てごらん」


そう言われ、右に視線を送ると、ロボットのようなものが佇んでいた。


「この面接で求められていることはただ一つ、君の実力を示すことだよ。この学校は良くも悪くも実力主義な部分があるからね、一部例外もあるけど、君が今からすることはあのゴーレム人形に君が持っているものすべてをぶつける。それだけだよ。あっ、あと武器は入り口にあるやつを好きに使って大丈夫だからね」


準備された剣を手に取って、「じゃあ、いきます」といって俺は静かに構えた。


「おい、なんだその構えは?ナイフでもねえくせに、ふざけてんのか」


最右列に座っている無精ひげを生やした男性がごみを見るような目で聞いてきた。


「あぁこれですか?確かに変ですよね。でも俺はこの方がやりやすいんです」


「ほーう、お前は見たところ誰かに指導された構えをしている。だが、その構えを認めてる以上、ろくでもない奴から教わったんだろうなぁ」


「ちょっと、あんたその言い方は…」


「うるせえよ」


と今すぐにでも言ってやりたかった。

が、ここで言い返してしまえば師匠が言う『強者』にはなれないだろう。


「板川教授、不必要な発言は控えるように」


中央に座っていた長髪の男性に静止され、その男性は「ふん」と言って黙り込んだ。

板川教授、マジで覚えておけよ。


「じゃあ、今度こそ」


そう言って俺はゴーレム人形に攻撃した。が、予想外のことが起きた。

ゴーレム人形が真っ二つになってしまった。


「「!!」」 「へぇ」 「あらあら」 「…」


反応は人それぞれといった感じであった。

これどうしよう、弁償しないといけないのかな。


「お前…ドーピングはよくねえぞ。お前ごときがアレを壊せるわけねえんだよ」


ここでも口を開いたのは板川教授だった。

その表情は怒りと困惑が入り混じっており、心なしか、声が震えていた。


「ドーピングも何も…俺はただ剣で切っただけです」


「だから…あぁもういい!お前こっち来い!」


そう言って板川教授は杖を持ち、俺の前に立ち、杖を俺に差し向けながら


「そっちがその気なら、俺が直々に『面接』をしてやる。ただし、その剣を使うことは禁ずる、素手で来い。俺に一撃でも入れることができたら合格、お前が伸びちまえばその時点で不合格だ」


あまりにも無茶苦茶で無理難題なこの要求に他の面接官も度肝を抜かれた様子だった。


「板川…ふざけるのも大概にしろ」


「まぁまぁ落ち着いてよ2人とも.櫛塚君、君はもう」


「いいですよ。その条件で」


目の前にいる人はきっと俺よりも強い。

でも師匠には及ばない。

何の根拠もないが、なぜかそう感じた。


「要は、一撃入れることができればいいんですよね?」


俺は再び剣を構えた。











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