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世界の転換点・終

おはようございます。出目金です。文に関しても、物語に関しても初心者です。

何か至らない点がありましたら遠慮なく伝えてください。

特に物語の構成が不安なので指摘してもらえると喜びます。

どうぞよろしくお願いいたします。

何だ。何なのだ。あの子は...


憐みもあった。家の利益になればいいとも思った。だが、彼がこんな人間だとは思ってもいなかった。もはや好奇心の域を超えている。


魔法にしか興味がないように見える。

いや、実際そうなのだろう。だとして、理解できない。


他人のことはもちろん、自分のことにさえ興味がないようだ。

あまり褒められた思考ではないと自覚しているが、彼を次期当主にするには少し気が引ける。


「どうしようか...」


「魔法騎士学校に入学させてはどうでしょう」


「」


本当に心臓に悪い。


「きゅ、急に話しかけるのはやめてくれないか...」


「失礼しました」


私の注意力がないのが悪いのだろうか...


「...まあいい。それで、魔法騎士学校に入学させるとは?」


「彼の魔法の才能は予想以上です。ここで閉じ込めておくよりも魔法騎士学校に入学させ、才能をふるってもらうほうが我々にとって利益になると思われます」


それもそうだ。彼はエクリシア家に留めておける器ではない。


「そうだな。そうしよう。こまかいことは後で決めよう」


「了解しました」


ちょうどいい。最近エクリシア家で男児が生まれたことだ。彼には外で大いに羽を伸ばしてもらおう。

それにしても、彼はうちに来た時から何も変わらないな...

─────────────────────────────────────

ノアールがうちに来た日、私は彼のことを気遣い、メイドをつけた。だが彼は「いらない」の一点張りでメイドと話そうともしてくれなかった。余計だったかなとも思い、その日はメイドを下げさせたが。


そんな日が何日も続き、彼の様子をメイドに見てもらった。

彼は魔法を行使していたという。ずっと。水分補給もせずに、部屋にこもって。


そのあとも数日様子を見てもらったが、彼はずっと、寝る間と食事の時間以外魔法を使っていた。

いったいなんのために?


それから数日たった。

彼はメイドや私とも少し話してくれるようになった。

ある日、彼は初めて私に頼みごとをしてくれた。

うれしかった。心を開いてくれたような気がして。


彼の頼みは、図書室を使わせてほしいというものだった。その時はそんなものでいいのか?と思った。だが、彼にはそれで十分だったのだろう。彼は独学で天才とも呼べるレベルまで無属性魔法を使えるようになっていた。あの無属性魔法だ。今の時代ほとんどだれも使っていないようなものだ。誰でも使えるとはいえ、習得が難しすぎる。教えることの天才が教えてやっとまともに使えるような。もっともそんな天才は属性魔法を教える側だろうが。

ともかく、ノアールはそれを独学でやってのけた。

その力は正しい使い方をしないと自分の身を滅ぼしてしまうほどだ。

だから私はクロエの進言を受け入れ、魔法騎士学校に入学させることにした。

彼には自分の力の丈を知ってもらわなければならない。

私のためにも、彼のためにも。

─────────────────────────────────────

とても興味深かった。両親が殺され、自分にかかわった人さえもすべて殺され、精神に傷を受けていないはずがない。ましてや子供なら、いや、大人でも精神が崩壊してもおかしくない。

なのに、彼は何も気に留めていないように生活している。

本当に気にしていないのだろうか、そんなはずがない。

だが現に、彼、ノアール様は何もないように、いや、少し違う。

彼は無属性魔法の研究に没頭している。もしかして、それが精神の支柱なのかもしれない。

無属性魔法は、現代では極端に使い手が少ない魔法だ。だが彼は、それを独学で、さらに極めるところまで来てしまった。これには当主様も扱いに困っていた。


本当に興味深い。

さらに、当主様には報告していないが、彼の身の回りにあるものが消えたところを私は”視”た。そういえば彼の属性を知らなかったな、と思った。あれが彼の属性魔法なのだろう。


私は視属性に適性があった。遠いところでも、障害物があろうとも”視”ることができる。

ノアール様はその”力”を隠そうとしているようなので秘密にはしているが、興味がありすぎる。知りたくて仕方がない。


当主様はノアール様をどうするか悩んでいるようだったので、魔法騎士学校に入学させることを提案した。ノアール様についていくことができれば、彼の”力”のことをもっと知れる!

ああ、楽しみだ...!

─────────────────────────────────────

子供らしくない。


最初に思ったのはそんなものでした。

”あんなこと”が起こったとは思えない落ち着き様で、大人びすぎています。

もっとヒステリックになってもいいはずなのに。八つ当たりさえ覚悟していましたが、何もなされない。

怖いくらいに、さらに、無属性魔法を独学で学び始めたというではありませんか。

失礼ですが、馬鹿かと思いました。

本当に、狂っている。何があったのかは詳しく知りませんが、ノアール様がこうなるほどの何かが我々に簡単に想像できるものでないということは確かです。

ノアール様は、近々魔法騎士学校に入学なされるそうです。クロエもついていくという話ですが、彼女は大丈夫でしょうか...

いえ、きっと大丈夫です。彼女も魔法狂いですから...

ここまで読んでくださりありがとうございます。

物語の矛盾や辻褄が合わないところがあればご一報ください。

できる限りミスはないようにしていますが、どうかよろしくお願いします。

次回も楽しんでいただけるよう全力で執筆させていただきます。

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