流星を追いかけて
1、2、3……と数える間にも過ぎていく時間。
その間に歳をとり、恋人は去り、愛犬が死に、感染爆発が起き、戦争が始まった。
気がつけば政治は腐り、社会は分断に病み、空から爆弾が落ちてくる。
4、5、6……と数字だけが積み上がっていく。その中身を覗いてみると空洞だった。
7、8、9……と日々が目の前を通りすぎていく。
気がつけばまた歳をとり、身体は少しずつ死に蝕まれていくという実感。
空の青の反対側では星が一瞬で流れていく。
数字が積み上げられる隣では、街が朝と夜の生活リズムを刻む。
捕らえ損ねた鳥が大空を自由に羽ばたいて、彼方へ飛んでいった。
僕も今ここから旅に出る。
10、11、12……13、14、15……16、17、18……19、20、21……