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第十五話課外授業で幼い頃のことを思い出して少し悲しくなった

第十五話課外授業で幼い頃のことを思い出して少し悲しくなった


私は班別自主活動でモニカ、ジデン、クリスと同じ班になった。

私たちはアレク先生とケントさんからの連絡事項を聞き終えた後さっそく"ワールドディヴェルティメント"で遊ぶことにした。

ジデンは一眼見ただけで遊べるのが楽しみなのが分かる笑顔で「お主ら早く行くぞ、せっかくじゃから思う存分楽しむのじゃ!!」と言いながら走り始めた。

クリスまで走り始めてしまい、結局行き先も決める前に全員で走ることになっちゃった。

友達とこういうの初めてだから、楽しいな。

……ほんと楽しく終われたらいいのにな。

十分後

私たちが最初に並んだのは、スカイサイクルと書かれた乗り物

「はぁはぁ、すまんかった。わしがいろんな場所に走ったばっかりに最後尾になってしもうた」

「いいっていいってボクは楽しかったから……それにさこういう待ってる時間ってさみんなとたくさん話せるからボク最後尾って好きだよ、だから謝らなくていいから。それにねボクの方こそ感謝したいくらいだよみんなと話せる時間を作ってくれてありがとねジデンちゃん」

「そう言ってもらえるとわしだって嬉しいんじゃがな……周りから見られて恥ずかしい」

「私も嬉しいよありがとうジデン!!」

「あとで絶対模擬戦しようジデン本当あとでいいから!!」

「分かった分かったあとでな、その代わり……わしとの買い物に付き合うんじゃぞクリス!!」

「やった〜〜!! 模擬戦してくれるなら買い物くらい安いものだよ!!」

そして待っている四十三分間私たちはたくさん話した。

「次のお二人どうぞ。スリルを頼みしたい方は右側に乗ってみてください。ここのスカイサイクルは右側が特に高さを感じやすくなっておりますので、美しい景色をお楽しみください」

私たちは待っている間に一緒に乗る相方を決めていた。

今回は私はジデンと乗ることに、そしてクリスとモニカが乗ることに。

「ジデンはどっちがいい?」

「わしは左がええんじゃが……それじゃあユミナがきょうてぇ思いするじゃろ……じゃからわしが右側にの……のの、乗るんじゃ!!」

「無理しなくてもいいよジデン……それにね、私そのスリルに興味があるから……右側がいい!! それできょうてぇってどういう意味なの?」

「きょうてぇ……か? 怖いって意味じゃな。結構有名かと思ったんじゃが……それにユミナは右側がええんじゃな!! そ、そうか……べっ別にわしは高いところがきょうてぇなんて思ってないんじゃからな!!」

ジデンは照れくさそうに言った後暗い顔をして

「わしが本当にきょうてぇのは孤独じゃ……もうあんな思いするんだけは二度といやじゃ」と言って私のことを見つめてきた。

私はその言葉を聞き昔のことを思い出してしまった。

回想

私は幼い頃は寂しがりで今みたいに好奇心旺盛って感じじゃなかった。

「ねえアンズちゃんどうして最近誘ってるのに遊んでくれないの? 昔は遊んでくれたのに」

「それは……あなたがあの救国の英雄のラウル様の娘ですからね。私はねあなたみたいな高貴な方と遊べるような家じゃないの分かる!? 私があなたと遊んでも"私"がみんなから笑い者にされるのよ!! なのにあなたはことあるごとに何回も何回も『アンズちゃん遊ぼう』って誘ってきて……あなたのせいで私が陰でなんて言われてるか分かる? "イキリ鳥"だよ!! 私はイキってなんてないのに……身分だって立場だって弁えてる。だからあなたと遊ばなかった……なのにあなたが話しかけるから私はイキって取り入ろうとする生意気なやつっていうので周りからイキリ鳥なんて言われるの!! だからもう話しかけないで……私と関わらないで!!」

「…………どうしてそんなこというの? 私が高貴じゃなかったら遊んでくれてたの? ねえ答えてよアンズちゃん!! 無視しないで……待って……待ってよ、行かないで……私を一人にしないで」

私が悪かったのかな?

あっ、お父様だ……聞いてみたら分かるかな

「ねえお父様どうしてみんな私と遊んでくれないの? 『あなたってラウル様の娘なのでしょう? そのような高貴な方と私が遊ぶなんて畏れ多いです』って言うの……私が高貴じゃなかったらみんな遊んでくれるのかな? 私お父様のこと大好き……でもみんな私がお父様の子供だからって遊んでくれないの…………どうして? 私はみんなと……アンズちゃんと遊びたかっただけなのに……アンズちゃんまで私から離れていっちゃった。私が悪いのかな?」

「ユミナ……それは違うぞ。ユミナは悪くないよ。(それに俺もクロエも元々はただの村人だ、だから俺とクロエが周囲からみて高貴ってやつになったのは戦争を止めて救国の英雄と呼ばれるようになった時点からだし……なんて言えば、ユミナは村人の子供だから高貴じゃないとか……いやそうじゃないな。ユミナは友達がいなくなることに慣れてないわけだし)……まあだから俺が言いたいのはユミナを高貴だとか高貴じゃないとかで関わるかどうかを決めるやつなんてどっちにしろ離れていく訳で…………ごめんな友達が離れたユミナにこんなこと言って…………あっ、この本とかどうだ。読んで気を紛らすとか……ごめん何も役に立てなくて」

「謝らないでお父様……私話を聞いてくれただけで嬉しいから……部屋に戻ってから本読んでみるねありがとうお父様(友達ってなんなんだろう……私から離れる人のことを言うのかな……もうわっかんない!!)」

私は部屋に戻り気が済むまで泣いた。

泣き疲れた後お父様がくれた本を読んだ。

タイトルは『世間知らず姫は好奇心を抑えきれない』

お父様もしかして私が世間知らずって言いたいの?

私は少し怒りを感じながらも読み始めた。

十七分後

大まかな内容としては『親に溺愛されて城から出られない姫が窓の外で見た一人の男の子に恋をして今まで押し殺してきた様々なものへの好奇心が爆発してしまい城を飛び出す。そして姫が城の外で友達を作り楽しく暮らしその男の子と再会し幸せになる』というような話だった。

私はこの物語の姫が自分に正直で好きなことをしたり気になることを調べたり楽しそうにしているのをみて……羨ましく思った。

羨ましく思うだけでは変われない……一つずつ自分を変えていかないと、そう思った私はこの姫のように……とまではいかなくても、自分に少しは素直に生きてみようと……たとえ無理をしてでも

回想終わり

「安心して私がジデンを絶対孤独になんてさせないから」

「ありがとうユミナ……じゃが、えらそうな顔をして何かあったのか? 勘違いせんでほしいがえらそうな顔っていうのはしんどそうとかきつそうって意味じゃから悪くは思わんでほしいんじゃ……ただ心配してるだけじゃ」

「心配してくれてありがとうジデン。小さな時のことを思い出してちょっと……ね。今は大丈夫だから」

「そうか、ならよかった。それじゃあ乗ろうかユミナ……さっきあぁ言ったが、やっぱちょっと……ちょっとだけ高くてきょうてぇとは思う」

「大丈夫ジデン? 私の手を握る? そうすれば少しは気が紛れるかもだし」

「……に、握るとしても乗るまでじゃからな!!(ユミナは確かリュシオンと結婚しておるのじゃったよな……わしと手を握ったところなぞ見られたら変な勘違いをされるんじゃ……ええんか?)」

私はスカイサイクルに乗るまでの間ジデンの手を握ること。


読んでいただきありがとうございます!!

更新は出来る時にしますね

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