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タン!っと、良い音を立ててEnterキーを押した男、速水 秋は愛用のノートパソコンから視線を上げた。
「みーくん?」
「んぁ?」
「できたぁ~」
パソコンを脇に押しやり、コタツに突っ伏しながら秋は同居人の男、鎌倉 尊を呼んだ。
否、正確には秋が勝手に尊の家に入り浸っているだけなのだが・・・。
「ん。お疲れ、秋・・・見せてみろ」
ダラ~っとした姿勢のまま動く気のない秋に短く返事を返し、尊は秋のパソコンをコタツの向かい側から取り上げ内容を確認する。
「・・・って、おい」
「なぁにぃ?」
「お前、コレ只の「あらすじ」じゃねぇか!!本編はどうした?!本編は!!」
「本日の小説家としてのボクの営業は終了しましたぁ~」
「終了させんな!サッサと書け!!締め切り破り常習犯!!」