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「お前がこの周辺の土地を荒らしまわり、略奪・殺戮などの悪逆非道の限りを尽くしているという『道化師』・・・で、相違ないな?」
魔剣の剣先を『道化師』に向け、男は静かに問うた。
アハハ!と、何時ものように嗤いながら肯定した『彼』を一瞥し、男は眉間にしわを寄せる。
『道化師』の纏う空気が変わったからだ。
オーラとして視認できるほどに高められた魔力を感じ、対話による解決は不可能と男は断定する。
「もとより話し合いで解決するとは思っていなかったが・・・ここまでとは・・・仕方ない。遊んでやるか・・・」
はぁっと大きなため息をつきながら魔剣を構え直した。
そうして激闘の末、男は仲間と共に『道化師』の軍団を打ち破り、その手に勝利を収めるのだった。
そして男こそが、後の魔王である。
―― 小説「カムロスの物語」より一部抜粋 ――