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僕と彼女の歪んだ『愛』とその日々  作者: センセイ
第二章
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番外編6.黒木 花子

私は不幸だった。

そう……産まれた時から。


両親は子供の頃から私の事が嫌いで、いつも怒鳴ってきた。

凄く怖かった……のに、他の人の前では優しかった。


そして、私が小さい頃……まだ『それ』がいけない事だと知らなかった頃は少し逆らっただけで手を上げたのに、ある程度成長したら全く手を上げなくなって、虐待されてるなんて言っても相手にされず、被害妄想だと言われ続けてきた。


『辛かったね』


そんな私に、安っぽい励ましの言葉をくれたのは、彼だった。

私はその時、頭の中で何度も言われて安っぽいと吐き捨てていたその言葉が、自分の言われたかった言葉なんだと感じ取った。


そして、それを言ってくれた彼……りっくんはびっくりするほど綺麗な容姿をしている、いわばイケメンで、そんな高スペックな彼が自分を肯定してくれるから、私も段々と彼と居る時間が好きになっていった。


……それなのに。


『え?子供?』

『うん……あっ、私たちのだよ?』

『……へぇ』

『あっ……気に入らなかった……?』

『……別に?』


子供……れいがお腹に来てから、私達の関係は変わってしまった。


『あぁ、結婚ね。……考えとくよ』


『今夜?……ダメでしょ、お母さんなんだから』


『今日も飲みなんだよね』


りっくんは明らかに冷たくなった。


どうして?どうして?

毎日思っていた。


……そして、ある日。

見つけてしまった。


『……何これ』


何で、《《これ》》のゴミが落ちてるの?

家に?


……えっ?


『りっくん!』

『……』


りっくんは、謝る事も言い訳する事も無かった。

……その代わりに、


『じゃあ何?』


と言った。


『えっ……』

『まだ堕ろせるなら、』

『辞めて!』


……私は、お腹の中の赤ちゃんが大事だった。

だってこれは、名前も無い彼との関係をたった一つ示せるものだから。

だから私は、見ないフリをした。


『良い?言ってごらん、一ノ瀬れいです……って』

『いちのせれいです』

『そうそう』


婚姻届なんてなくても、これは彼との子供なんだから、これは誰がなんと言おうと『一ノ瀬』れいだった。


『れいは可愛いなぁ』

『あははっ!』


……でも『それ』も、大きくなるにつれて…私から彼を奪った。


『れい!』

『ごっ……めんなさい』


れいは何回叱っても叩いてもいい子にならない、要領の悪い子だった。


『直す、直すから……』

『直ってない!れいまたりっくん盗った!』

『と、ってない……』


挙句の果てには、そんな事まで言う。

……どうして私には、普通の幸せは訪れてくれないの?


どうして私だけ、愛されないの?


『……れい?』


ある日、ドタバタと音がしてから、れいは家に帰らなくなった。


家からはれいの使ってたブランケットと、ぬいぐるみとかだけが無くなっていた。


私をここまでいじめてから、そうやって逃げるんだ。


……れいが一人でこんな事出来る訳ない。


誰と?……あの、しきくんと?


……ダメ。

ダメだよれい。


一人だけ……私を置いて幸せになろうとするなんて。




そんなの許せない。

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