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僕と彼女の歪んだ『愛』とその日々  作者: センセイ
第二章
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番外編1.田口 幸樹

あいつとは親友だと思ってた。


いつも俺たちのグループの中で、俺たちが変な方向に行きそうになった時、一言で軌道修正してくれる影のリーダー的存在、このグループにいなくてはいけない存在、それがしきだった。


しきがグループに必要なのはみんな分かってたし、俺だけはしきがそういう存在だって理解してたし、大切に思ってた。

それは今でも変わらないけど。


でもお前は、ぽっと出の、よく分からない問題児に取り憑かれてしまった。


文字通り悪魔のような女に。


……新鮮だったんだろうな。だから目にとまって、お前を離さなかったんだろう。

でも、言うだろ?旅行が楽しいのは帰る家があるからだって。


でも、お前は……。


そんな家が好きじゃなかったんだな。


だから、旅行先からとうとう帰ってこなかったんだ。


なぁしき、俺がお前を無視したのは、ちょっと意地悪をしただけなんだ。

ここの大切さ忘れて、転校生にうつつ抜かして、……ちょっと無視したら、俺たちの居ない居心地の悪さに気づいて、俺たちが実は大切だったんだ、って、戻って来てくれるって思ってたから。


でも、逆効果だったな。


お前は俺らに捨てられたと思い込んで、更に転校生にハマって行った。

もう抜け出せない、沼の奥底まで。


俺は帰って来たら許して迎え入れるつもりだったけど、そんな事せずに優しくしてやれば良かったんだ。


……なぁ、しき。

あの時お前は、助けてくれたのは転校生だけって言ったよな。


でも、違うんだよ。

助けたのはお前自身だ。

お前自身が彼女に近づいたから、お前は救われたと思っただけで、本当は誰にも救われて無かったんだ。


それでも、みんなそうやって生きていくしかないんだよ。

彼女に縋る気なら、お前の人生は今までよりもっと苦しくなるだろう。

それでも本当の自分自身である事を大切にして、お前の言う『好きな人』と居たいなら、そうすれば良いさ。


俺はお前を止めないよ。


それは見て見ぬフリをしていた俺にそんな資格無いって事もあるけど、一番はそんな事じゃないんだ。


俺はお前の親友で、……お前がそう思って無くても、俺は勝手にお前に救われていて、どんなお前も尊重してやりたいって思ったから。


これが俺からの最初で、最後かもしれない、本当のお前への優しさだ。


お前はもう俺の事、見えてないかもしれないけど、俺はいつでもお前が帰って来れるように、待ってるから。


だからいつか、絶対……どんなお前でも、誰と一緒でも良い、帰って来いよ。


ずっと、待ってるから。


それが俺の贖罪で、したい事だから。


なぁ?しき。

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