すれ違う想い
やっぱり実家に行くのが不安なんだろうか?移動中の馬車では唇を求め、胸の柔らかさを求めた。僕はぬくもりが欲しいのか?ぬくもりから安心を得たいのか?ミカは僕の不安と欲望を大きな心で受け止めてくれている。
宿では毎日欲望に塗れていた。行為に及べば及ぶほどミカへの愛おしさが増していく。自分の頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。それもまた破滅的で気持ちが良かった。
そのような旅程を7日ほど続けた日、行為の後にミカが口を開いた。
「アキくん、本当にありがとう。私生きてるよ。アキくんのおかげで生きてるのを感じることができるよ」
僕は急に恥ずかしくなった。自分のやってる行為は性的な衝動に駆られている。ミカの事を愛おしく感じるが性的な衝動を基にした感情ではないか?明確にそれを否定できない自分。自分の感情を言葉にできないもどかしさ。
ミカと出会った時、ミカの精神は死にかけていた。誰からも必要とされない自分に絶望していた。今はどのような形であれ僕はミカを強烈に必要としている。求めている。
このすれ違いは今後決定的に破滅するのか?それとも大丈夫なのか?そんな事を考えながら僕はミカの胸に包まれながら眠りについた。
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