E級ダンジョン初日(Gランク→Fランク)
今晩の目的のダンジョンはリンカイ王国東方Eランクダンジョンの一つ。別名オークダンジョン。現在ギルドランクはGランクだが冒険者は自己責任のため誰でも入る事ができる。
1〜3階層はオークしか出没しないダンジョンだ。ここで資金繰りをしていこう。
ダンジョンは不思議な空間だ。まず壁が仄かに光っている。またダンジョンで魔物を倒すと魔石を落とす。死骸はダンジョンが吸収してしまう。壁などの破壊は出来ず自己修復してしまう。
周りの環境に影響を与えず、夜でも戦闘ができ、魔石で金策もできる。今のところ活動はダンジョン以外考えられない。
オークは初心者キラーとも呼ばれ、ちょっとした油断が大怪我につながる。ソロならばDランク、パーティでEランク相当の強さがある。
仄かに光るダンジョンに足を踏み入れる。右手にはショートソードを握り進んでいく。40メトル先にオークが見える。身長は1.8メトルくらい。5匹、いや6匹いる。こちらに気づいて突っ込んでくる。気持ちを落ち着かせて唯一の呪文を唱える。
【焔の真理、全てを燃やし尽くす業火、蒼炎!】
直径20センチほどの蒼い炎玉が左手より発射される。先頭を走っていたオークに当たった。目の前が蒼から白、そして赤色に変わる。中心にいたオークと隣を走っていたオークは白く朽ち果てて灰になっていた。残りの4匹は黒焦げになっている。
周囲の温度は一瞬上がるがダンジョンがエネルギーを吸収するのか通常の温度に戻る。
10秒程するとオークがいた場所にE級魔石が6個落ちていた。
オークの魔石一つ300ミラ。6個で1,800ミラ。一泊3,000ミラ、食事が一日で2,400ミラくらいだからオーク18匹が一日の最低ノルマか。
ステータスカードを確認する。
【名前】アキ・ファイアール
【年齢】12歳
【性別】男性
【レベル】5
【HP】35/35
【MP】24/26
【力 】15
【魔力】18
【速さ】13
【体力】12
【魔法】蒼炎
蒼炎一発でMPを2消費している。13回は使える計算か。
ソロ探索のため慎重にいこう。複数のオークを相手にソロで倒すには通常ランクDレベルの冒険者だ。EランクダンジョンはEランクの冒険者がパーティを組んで挑むのが適正ランクと言われている。
現在、僕の攻撃力はランクDを大きく凌駕している。ただMPが切れた場合にはショートソードしかないため攻撃力が激減する。MPの管理だけはしっかりしないとな。
その後、3匹のオークを3回、4匹のオークを5回、5匹のオークを2回瞬殺した。
これでE級魔石は全部で45個になった。13,500ミラ、2日と半日のノルマを達成した。
ステータスカードをみるとレベルが上がっていた。
【名前】アキ・ファイアール
【年齢】12歳
【性別】男性
【レベル】8
【HP】35/50
【MP】6/30
【力 】20
【魔力】24
【速さ】16
【体力】15
【魔法】蒼炎
レベルが3つ上がっていた。これが早いのかどうかは良くわからない。最大MPが増えたので蒼炎が15発打てるようになった。また自然回復で2ポイント回復していた。
ギルドカードで時刻を確認したら卯になっていた。もう朝か。ダンジョン1日目はこれで終了にしよう。
ダンジョンを出ると朝日がちょうど出てきたところだった。数分で北門についた。門番さんに軽い会釈をして冒険者ギルドに向かう。
まだ朝早いため人は閑散としている。もう少ししたら混雑するのだろう。
買取カウンターに今日の収穫の魔石を出す。
なお魔石は魔道具などのエネルギー源として使われている。
冒険者登録したばかりのGランク冒険者がEランク魔石45個の買取を申し出たためビックリされた。
通常はEランク冒険者が4人パーティを組んで1日Eランク魔石を30個くらいが平均だ。一人当たり7個程度の数になる。
Eランク魔石一つでギルドポイント100。今日だけで4,500ギルドポイント。GからFに上がるのに必要なポイントは3000ポイント。1日でFランクに上がってしまった。
ギルドカードの更新をし、報酬の13,500ミラはギルドカードに入金してもらった。
その後ギルドの宿泊施設で食事をし、お湯をもらい身体を拭いて、部屋のカーテンを閉めて寝た。
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