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蒼炎の魔術師 〜冒険への飛翔〜  作者: 葉暮銀
冒険への飛翔編
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第153話 再び水宮のダンジョン制覇

 前期試験が終わり【8月1日】になった。

 僕たちの冒険者パーティは王都からアクロに向けて出発した。

 アクロに着いたのは8月7日のお昼過ぎ。次の日には水宮のダンジョンに挑戦する予定だ。

 冒険者ギルドに挨拶に行く。知っている顔の冒険者も多い。

 僕達はギルド長室に通される。


 がたいの良い30過ぎの男性のアクロ支部ギルド長のワソランさん。

 元気そうだ。


「アキ! 元気そうだな。パーティメンバーが増えてるそうだな。そちらの2人がそうか。エルフがアクロに来るとは珍しい。歓迎させてもらうよ」


「ヴィア・ウォレットだ。こちらがサイド・ウォータージだ。少しの間、お世話になる」


「アキの冒険者パーティが来るから8月10日は海水浴大会の開催をすることになっているからな。そこは絶対参加だからよろしくな!」


 海水浴大会!?

 それは嬉しい!

 今年は溺れないようにしよう。ギルド長のワソランの話が続く。


「家は前のところと同じで専属もナギにお願いしてあるから大丈夫だな」


「ありがとうございます。全く問題ありません。早速、明日に水宮のダンジョンを制覇してきますね」


「それは凄いな。今回は短い間と聞いているがよろしく頼むな」


 その後、ナギさんが呼ばれミカと再会を喜んでいた。

 家に移り、旅の疲れをとる。

 お風呂に入り、ナギさんのアクロ名物の魚の煮付けが食卓に並ぶ。

 明日水宮のダンジョン制覇を目指すため、皆んなは軽くお酒を飲んで就寝した。お祝いは明日の水宮のダンジョンを制覇してからだ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


【8月8日】

 朝が明け切らない時間から、水宮のダンジョンに向かう。


 水宮のダンジョンはアクロの東門を抜けて6キロルほどだ。家は西門の近くで東門まで距離がある。

 前は馬で行ったが4人パーティのため馬車と馭者を手配した。

 ボス部屋で休憩を取るかもしれないため食糧を多めに持ち込んだ。

 初制覇から2年弱。どのくらい僕は成長しているのだろうか?


 水宮のダンジョンは本当に綺麗だ。煉瓦風の壁は青く光る。壁の上から流れる水がキラキラ光る。

 幻想的な光景だ。


 通路もとても広い。高さは10メトル、幅は40メトル、両脇は10メトルくらいの水路になっている。


 今回の装備は剣を全員【昇龍装備】で固めた。【昇龍装備】の属性はみずちと同じ水属性の装備だが回避を考えて俊敏性を上げる事にした。


 蛟の攻撃で怖いのは、飛び上がりからの滑空体当たり攻撃だ。

 ただミカがその攻撃にカウンターを合わせる事ができると言い出した。

 全長は10メトルほどの蛟の滑空体当たりに恐怖を感じる僕。

 ミカが大丈夫と言って、手本を見せると言う。


 前方40メトルの距離から蛟が水面から飛び出した!

 蛟の青い鱗がキラキラしている。

 首のヒレを広げて、先頭のミカに体当たりをしてくる。ミカは蛟が当たる少し手前で身体を左側に動かす。

 交差した瞬間に蛟の頭が真っ二つになる。

 綺麗だ。

 どんなものでも達人が行う動きは無駄がなくなり美になる。

 必要最低限の動きと力。技で斬っている。これと同じ動きはできないなぁと思った。


 それでも実際にやってみると、それなりに形にはなる。蛟の飛び上がりからの滑空体当たりの対処が楽になった。

 水面から顔を出してくる蛟と道に上がってくる蛟は蒼炎の魔法で倒す。

 滑空体当たり攻撃はカウンターで剣で倒して行く。

 2年前の2人の時より蛟へ奇襲の警戒も落ち着いてやれる。精神的に楽になっている。

 昼を過ぎてしまったが7階層奥のボス部屋の扉までたどり着いた。

 今回は余裕があった。水筒の水で喉を潤し、装備を確認してボス部屋の扉を開ける。


 部屋の中央には大きな蛟がとぐろを巻いている。相変わらず大きくて全長がわからない。

 深い深い青色の鱗だ。前回は蒼炎の乱れ撃ちで倒した。今回も蒼炎で行く予定だ。


 僕はボス蛟に向かって蒼炎の呪文の詠唱を始める。


【焔の真理、全てを燃やし尽くす業火、蒼炎!】


 ボス蛟は前回と同じように速い動きで蒼炎を避けようとする。

 しかし蒼炎が曲がる。蒼炎はボス蛟の身体に直撃する。


 僕は頭を目標に蒼炎の呪文を唱える。


 頭を動かして蒼炎を避けようとするボス蛟。

 しかし今回も蒼炎は曲がりボス蛟の頭に直撃する。

 たった2発の蒼炎の魔法でボス蛟は魔石と宝箱に変わった。


 あっさり終わってしまった。蒼炎の感情は自慢気だ。


 開封の儀式をし、宝箱を開けた。

 今回はダンジョン制覇メダルしか入っていなかった。

 青い玉を既に持っているからかな?


 蒼炎はまだ100発は撃てる。ご飯を食べたらボス部屋では休まずに、このままダンジョンを出る事にした。


 水宮のダンジョンは日が落ちる頃に出る事ができた。帰りの道中は皆んな蛟との戦いに慣れて来たからだろう。

 馬車に乗り込み、帰宅した。


 帰宅後、ナギさんが祝勝会を開いてくれた。ミカも久しぶりにナギさんと楽しそうだ。

 ヴィア主任とサイドさんは初の水宮のダンジョンだったため緊張していたみたい。

 緊張が取れたみたいでお酒を飲むペースが早い。そして僕は一人でフルーツジュースを飲んでいる。

 早くお酒の飲める来年にならないかと思いながら皆んなを眺めていた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 水宮のダンジョン制覇の次の日は休みにした。

 明日は海水浴大会だ。新しい水着を皆んなで買いに行く。

 エルフのヴィア主任が珍しいようで、アクロの注目の的だ。

 サイドさんはアクロに来たのに実家には顔を出さないと言っている。親から早く結婚しろ! とうるさいらしい。

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